COLUMN ビジネスシンカー

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2019.04

知れば必ず効果あり! これだけは押さえておきたい、 エグゼクティブのビジネス会話力、スピーチ力

期待と予測を混同しない

 矢野さんはまた、こうしたデータや情報に関して、推測は入れないように注意を促している。どういうことか? たとえば現在までの売上げが伸びていることを表現する場合、「今後も伸ばすことができそうです」といった推測の言葉は使わないようにすることだ。

 このような場合は「売上が伸びると期待しています」、「売上を伸ばすことを目標とします」といった言い回しに変える。目標はあくまでも目標であり、期待は期待であるので、推測にはならないのだ。2つめの「事実と感情は分けて話す」ことも、わかっているようで実際にはなかなかできていないことだ。

 ポイントは、事実は淡々と話し、そこに形容詞や副詞を使わないこと。事実のデータに対して「とても」「すごく」「絶対に」「やっと」といった強調する言葉を使ってしまったり、「良い」「悪い」「多い」「少ない」「成功」「失敗」など評価を入れてしまうと、その評価が独り歩きしかねない。

 たとえば、「今年2月10日に、東京有明にある東京ビッグサイトで行われた○○フェアには、主催者の発表で、開催4日間で52万5432人が来場したということです。これは前回7月20日に同じく4日間で行われたフェアに訪れた50万2352人より2万3080人増えています」という言い方があったとしよう。

 これを「この2月上旬に東京ビッグサイトで行われた○○フェアでは、あいにくの雨模様のなか、前回よりも約2万人多いたくさんの来場者が全国各地から集まり、大成功のうちに最終日を迎えました」という言い方で伝えた場合はどうだろう。

 前者はイベントの場所や名称、来場者数など情報源をもとに伝えているが、後者はただ前回行われた同じ名称のイベントより約2万人増えたことを、大成功と評価している。この場合、評価したのは、主催者側が言ったのか、話し手本人の評価なのかが曖昧となっている。

 評価をする場合は、あくまでも個人的な感想として「成功だった」「失敗だった」と語るべきで、あたかも関係者の多くがそういう評価をしているような表現は避けるべきだろう。

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