COLUMN ビジネスシンカー

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2019.04

知れば必ず効果あり! これだけは押さえておきたい、 エグゼクティブのビジネス会話力、スピーチ力

【newcomer&考察】 
認める?認め無くない?! でも確実に「eスポーツ」時代がやってくる!

 新元号もめでたく「令和」と決まった。いよいよ新しい時代の幕開けとなる。来年は東京オリンピックの開催。その舞台は整った感じだ。いまのところ国の強化策も順調のようで、大きなアクシデントがない限り、目標メダル獲得数もクリアできそうだ。

 五輪に開催が近づくにつれて、スポーツ市場も盛り上がっているが、ふと世界を見渡すと、新たなスポーツ市場が急拡大している。それが「eスポーツ」である。

 「eスポーツ」?と首を捻る方がいるとしたら、ぜひここで学んでおいてほしい。実は、もしかしたら数年後は夏のオリンピックの正式種目になる可能性があるからだ。2017年にはIOCが、eスポーツを正式種目として扱う検討に入ったことを表明している。

 すでに、22年アジア競技大会ではeスポーツが正式種目に採用される。そこで存在感を示すためにも国を挙げてeスポーツ環境を整備しておく必要があるのだ。

 eスポーツの市場規模は日本の株式会社Gzブレインの調査によると、2018年に国内が約48億円。これが2020年には約100億円くらいまで伸びると予測している。これに対して世界では17年段階で約700億円、約3億5,000万人が視聴しているという。市場規模も急増し、2012年になると1700億円規模に広がるという。またゴールドマン・サックスは22年までに約2900億円にパイが膨れると弾いている。

 今後急速に伸びていくことは間違いなさそうだが、それでもゲーム市場の15兆円からすればまだまだ微々たるものだ。それほど躍起にならなくてもいい気もするが、問題は日本のeスポーツが世界から一周遅れていることだ。

 そもそもeスポーツとは何か。ほかのゲームとは何が違うのか?

 一般社団法人日本eスポーツ連合では、「eスポーツ(esports)とは、エレクトロニック・スポーツの略で、広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉であり、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称」としている。

 つまりゲームのなかでも対戦、競い合う要素がないものはeスポーツとは呼ばないのである。たとえば、動物やペットの育成ゲームなどはこの対象とはならない。

 現在世界中でeスポーツのタイトル戦は増えており、その賞金獲得で生活を立てているプロ選手も増えている。eスポーツが注目を集めるのは、市場規模に対して、トッププロの稼ぐ額が高いからだ。

 調査会社の「esports earning」によれば、現在トップで稼ぐプロは年1億円というのはざらにいて、たとえば、ドイツのkurokyさんは3億5000万円ほど稼いでいる。

 日本でもプロゲーマーが生まれているが、世界レベルからすると1桁違う。東大卒でプロゲーマーの「ときど」さんは国内トップランクの稼ぎ手だが、17年で約1,000万円ほどだ。

 また2010年に国内初のeスポーツプロゲーマーとなった梅原大吾さんの場合、これまでの累計の獲得賞金は2,000万円程度。彼の場合は、スポンサーがついてるため、この程度の獲得賞金でやっていけたとも言える。多くのプロゲーマーの年収は300万円前後というから、決して楽な仕事ではない。

 これは一にも二にも、eスポーツ環境が整っていないことにある。たとえば、アメリカでは年間約1000件の大会がある。数だけでなく、賞金額も高い。アメリカのゲーム会社のライアットゲームズが開発したマルチタイムオンラインバトルアリーナ(MOBA)を使って行われた「The InternationaI」の2014年大会では、優勝賞金が約2億2300万円、賞金総額が約5億5700万円と、なかなかの高額だったが、2017年大会では、優勝賞金が11億9,400万円、賞金総額が約27億1,400万円と、さらに高額になっている。

 F1ほどの賞金額ではないが、少なくともゴルフの国内トーナメントやテニスの優勝賞金を上回る。

 アメリカではすでにeスポーツのリーグが成立しており、転戦しながら戦いを続けている。さらにこうしたeスポーツのリーグでは個人戦もあるが、チームで団体となって戦うことが多い。まるでプロ野球の球団などのようにチームが各地の大会で戦うため、ファンがつきやすく、地域一体となった波及効果も生み出しやすい。

 特筆すべきはこのThe Internationalでリーグ優勝しているのは、中国や韓国のチームが多いことだ。

 アジアではeスポーツのプロはプロサッカー選手やアイドルよりも人気があり、とくに韓国は専門の高校や専門学部をもつ大学であるほど人気が高い。専門のテレビ局もあるし、専用のスタジアムもある。もちろん観客が観戦できる席も用意されており、観戦には入場料が要る。拠点をアメリカに移して活躍しているプロゲーマーも少なくない。

 日本でも億を稼ぐプロゲーマーが複数出てくれば状況は一変するかもしれない。ただそうなるのは難しい。1つは法的制限があるから。景品表示法の関係で高額賞金が抑えられる可能性があるからだ。厳密にeスポーツの賞金がいくらまで、という制限は明記されていないが、消費者庁はゲームメーカー自身が賞金を出す大会でソフトの購買を前提とした場合は、商品の20倍まで、もしくは10万円という見解を示したことがある。あくまで消費者庁側の見解だったが、2016年にゲームメーカーのスクエア・エニックスが行ったゲームセンター向けの大会では当初賞金500万円に設定していた賞金額を、この見解を受け、10万円に引き下げている。

 またそもそも勝ち負けに運の要素がつきまとうゲームに高額賞金を与えることは、刑法の賭博罪にあたるとの見解もある。

 またそもそもeスポーツタイプのゲームが日本人に向いていないという指摘もある。海外で人気があるのは銃を使ったいわゆるシューティング型のRPGゲームで、日常で銃を持つ機会のない日本社会ではマジョリティとなっていない。

 また日本のゲーム機が家庭用のコンソール型で、eスポーツ向けのPCをベースにしたキットになっていないこともある。

 ただ、冷静に見ていくと日本がeスポーツ大国になる素地はまだまだある。1つはPCの普及率だ。スマホに押されてはいるが、ビジネスの主流はまだPCであり、家庭にもPCは普及している。

 ここに来て国もeスポーツ支援を打ち出している。あとは法的な解釈論争だが、カジノを公認とするIR法が可決通過しているので、容認に傾く可能性は高い。

 ちなみにeスポーツではどんな競技が公式競技となっているのかを、最後にいくつか紹介しておこう。

 

 このほか、日本の「ぷよぷよ」や「テトリス」なども人気のeスポーツの代表だ。

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