COLUMN ビジネスシンカー

2019.06

グローバル時代を生き抜く 異民族に学ぶ海外ビジネスネットワーク

世界に根を張る「華僑ネットワーク」

 日本は長らくものづくりの国として成長し、世界に存在感を示してきた。ただグローバル・ビジネス全般においては、必ずしも「長けている」というわけではなかった。それは近年のグローバルマーケットにおける日本企業の存在感の薄さにも現れている。

 アジアで存在感を示しているのはGDP世界第2位の中国。ただここに来て日中間においては大きな火種ができてしまい、チャイナリスクが高まっている。

 とは言え、最大人口を抱える中国は、世界の企業が注目する市場。日本企業が抜けた位置を別の外国企業が埋めるはずだ。中国からすべてを引き上げるわけにはいかない。

 日本はこの隣人と向き合わなければならない。それは中国本土だけではない。世界中で展開されている中国ビジネスと伍していかなければならない。

 東南アジアや西アジア、アフリカなど、いまや日本企業が出向くところはすでに中国企業が入り込んでビジネスネットワークを築いている例が多いようだ。

 勢いづく国内経済を背景に、いまや中国系企業は世界中を席巻し、アフリカなどの一部の国々では脅威論も出ている。

 昔から商売に関しては、「中国人は日本人よりもうまい」と言われてきた。

 その長けた商売センスのベースに「華僑」の存在がある。かつては日本の商社マンはどこにでも入っていくと言われたが、華僑の活躍ぶりにはかなわないだろう。

 華僑は、中国や台湾、香港、マカオなどに生まれ育った漢民族を主体とし、祖国を離れて海外に移住してその地域で経済活動を営む人々を指す。中国共産党は中国国籍を有する者と定義しているが、国籍を持たなくとも、また海外で何世代にもわたって生活する中華系の人々を指す場合もある。

 中華系のルーツを持つという定義であれば、華僑は全世界でおよそ4,000万人もいると言われ、その8割が東南アジアに暮らしているとされる。注目されるのはそのコミュニティ、ネットワークの強固さだ。