COLUMN ビジネスシンカー

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2019.06

グローバル時代を生き抜く 異民族に学ぶ海外ビジネスネットワーク

プランテーション労働者からIT留学へ

 インドの人々が海外で印僑となっていった流れには4つの波があったとされている。まず19世紀の英国植民地時代に、奴隷制の廃止に伴い、季節労働制や請負人徴募制の名のもとに海外の植民地の主に砂糖のプランテーションに労働者として移っていく。

 19世紀末にはビルマやセイロン(現在のスリランカ)、マレー半島などの茶やゴムのプランテーションに労働者が移っていき、20世紀初頭までに約2万人が英国の植民地国に移住していった。

 2つ目は第二次世界大戦後である。戦場となった国々では、その復興のために労働者が必要とされ、英語ができるインド人はイギリスで重宝された。

 また米国やカナダでは移民法が改正されて、1960年代後半から70年代にかけて移住者が増加したのだ。

 インド人はイギリスの植民地だった東アフリカでも、多くの労働者として集められていたが、終戦後の60年代にアフリカの各国が相次いで独立を果たすと、居場所を追われたインド人が北米へこぞっと移動したこともある。

 3つ目の波は、石油危機以降、サウジアラビアやオマーン、アラブ首長国連邦など中東産油国が油田の開発を拡大したことによる、労働需要の増加だ。中東はインドからも地理的に近く、また暑さに強いインド人は、現場労働者として期待され、多くのインド人が出稼ぎ労働者として活躍した。

 そして第4の波が、90年代からのITブームだ。経済のグローバル化とインドの経済成長が後押しをし、国内のIT技術者や学生がアメリカにわたってITを学び、頭角を現していった時期である。

 2007年〜08年の1年間でアメリカに留学したインド人は約9万5000人にものぼり、実に外国人留学生の15%を占めるに至ったと言う。

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