COLUMN ビジネスシンカー

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2019.06

グローバル時代を生き抜く 異民族に学ぶ海外ビジネスネットワーク

印僑ネットワーク構築を国策として行うインド

 在外インド人が世界的に注目を集めるのは、インド自体の経済成長もあるが、インド政府がこの在外インド人ネットワークを意図的に強化構築してきた歴史があることだ。

 とくに1970年代には、中東産油国での出稼ぎ者に対するインド政府の保護強化要請に伴って、在外インド人の保護と政府との関係強化が進められた。

 90年代に入ると、経済の自由化の推進に伴って、インド政府と在外インド人と経済的結びつきの強化が進んだ。

 大学や企業等への留学や就業が進んでおり、頭脳流出に対する懸念が沸き起こっていた。90年代以降のインド政府の考えは、在外インド人からの投資を呼び込み、海外に出ていった頭脳の還流を促進して、インドの国家開発、成長に繋げていくというものであった。

 国の発展のために在外同胞人を積極的に使おうという発想は、なかなか日本人は思いつかない、思いついたとしても実行しにくいことかもしれない。

 インドが3大移民大国と言われながら、華僑ほど大きな存在感を与えていないのは、インドの国家観によるところも大きいようだ。

 で、血縁、地縁を重視するネットワークであるが、これに対してインドはもともと多民族、多宗教、多言語の国家。同じインド人でもバックグラウンドが大きく違うため、華僑のように1つの価値観や主張に縛りつけることは、経験的に避けてきた傾向があり、それが印僑と華僑のイメージ差となっているようだ。

 

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