COLUMN ビジネスシンカー

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2019.08

ビジネス目利きの見方

工場では5Sを必ず見る

一方製造業の場合はどうだろう。製造業では工場などの生産設備を持っていることが多いと思うが、工場にも当然金融機関の「鑑定家」はやってくる。特殊な機械が並んでいたり、研究開発部門とセットになっていたりと専門性が高すぎて、さすがの鑑定家も十分な経験を持っていないと目利きは発揮できないように思うが、きちんと見ているという。事前に製造工程や組織図、人員体制、配置を把握し、課題や検討事項を見つけ出していくのだ。

どの工場でも共通してしっかり見ているのが、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」のいわゆる「5S」。もちろん現場担当者のようにどこ
が汚れているとか、細かくチェックはしない。「鑑定家」が見るのはその5S活動が各工程でどの程度、目標に対して反映されてるか、ということだ。この5Sの改善なくして、生産性の向上は望めないからだ。

実はこの5Sの徹底が企業の「裏の競争力」の強化につながると言われているのだ。5Sの徹底が現場の「ムダ取り」、「カイゼン」や「かんばん」につながり、そのためのルールやツール、教育システムの導入を促し、現場の結束力を高めていくからだ。いわば企業内部の運用ソフト力とも言える。この「裏の競争力=企業内部の運用ソフト力」が強いのが最も強いのがトヨタ。トヨタのカンバン方式やカイゼンは、多くの企業で導入されているが、その割になかなか定着しないのは、この裏の競争力を理解しないまま進めているからだと言われる。

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