COLUMN ビジネスシンカー

2019.09

ビジネスコミュニケーション力の基本は「ホメ力」にあり  ホメ力アップが仕事力、人間力をアップする

かつての名監督が結果を残せなくなったのは?

ITやインターネットなどの進化に伴い、ビジネスにおけるコミュニケーションの重要性が高まっている。スマホやモバイルパソコン、携帯端末の発展によって、メールやWEBを介していつでもどこでも情報がやり取りできるようになり、情報交換は時間や場所の制約を受けなくなった。

だがこのような便利さは、一方でコミュニケーションが取れない、苦手とする人を増やしている。こうしたビジネスコミュニケーションの鍵を握ると最近注目されているのが、人を褒める力、「ホメ力」だ。日本のビジネスにおいてはとかく褒める行為は「おべっか」「ごますり」など、あまりいい受け取り方はされていないようだ。でも褒められて悪く思う人はまずいない。むしろ相手との距離を縮め、いい関係を育てる。

知らない相手はもちろん、知っている相手にもホメ力は必要だ。子供や会社の部下などは、褒めることでその能力を開花させる。かつては能力のある若手ほど、スパルタ式で根性を鍛えるような指導法がその能力を伸ばす、という考えが主流だった。しかしこうしたやり方は、あまり良い結果を生まないばかりか、間違いであることが指摘されはじめている。

たとえば、プロ野球の巨人軍でエースピッチャーとして活躍し、その後40歳を過ぎてからもアメリカのメジャーリーグで投げた桑田真澄さんは、テレビや新聞などで熱血根性型の野球の指導法に疑問を投げかけている一人。自身も高校時代は名門と言われる野球部で厳しい練習を行っていたが、プロとしてやっていけたのは、その時、自分なりに練習をさぼっていたからだと告白している。

奇しくも今年、令和の怪物として話題を呼んだ大船渡高校の佐々木朗希選手の起用法が物議を醸したが、桑田さんは、特に甲子園に出場するようなチームではピッチャーが連投で酷使され、プロとしての可能性を閉ざされてしまったり、たとえプロになってもその寿命を短くしているという。一方でスパルタ式に頼る育成方法は指導者や監督自身の指導力アップにも繋がっていかないとも指摘している。勝つことに固執し、エースや特定の選手だけに負担を強いる一方、チームや組織を考えた個々の性格や能力にあった引き出し方ができにくくなっているという。

こうした考え方は野球界だけでなく、サッカーやラグビーなど、他のスポーツでも言われている。

昔はそれで結果が出たかもしれないが、学生や生徒の考え方が変わって過去の指導方法や戦略について行かなくなった。名監督と言われた人が同じ指導法をしているにもかかわらず、結果を残せないようになったことなどに見てとれる。