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知っているビジネスがスムーズになる!?癖や持ち物から人を見抜くツボを知る

ビジネスは人と人のやりとりが基本。目の前にいる人が何をどう思っているのかがわからないとビジネスは進展しない。言っていることをどこまで信用していいのか。本心なのか嘘なのか。嘘はなくても過信していないか。間違った情報をベースに進めていないかなど、表情や声、身振り手振り、あるいは全体の印象などから判断し、決断せざるを得ないときがある。

心理学では、人は同じような状況では似たような行動をとることが知られている。たとえば相手の考えに対して否定的であったり、拒否したいと思っていると無意識に腕を組んでいたりする。また女性の場合、話に関心がないと髪の毛をしきりにいじったりする。

一方で、同じ条件でも性格や生まれ育った環境によって、まったく違った判断や行動をとる人がいる。

性格は内面的なものなので、ある程度のつきあいがないとわからないもの。

しかし近年は心理学や人相科学などの発達で、より合理的に人の性格や行動パターンを科学的に読み取ることも可能との考えもあるようだ。それは仕草や行動パターンなどから知ることができる。

笑い方で人を見抜く

たとえば、笑い方。

笑うことは縁起がよくビジネスでも福や成功もたらす要素と思われている。

でもただ笑っていればビジネスがうまく回るとは限らない。人それぞれに笑い方に癖があり、その笑い方に意味がある。素直に面白がるだけでなく、下心がある笑い、蔑んだ笑いなど、さまざまだ。

◆含み笑いをする人は、プライドが高い

口を開けずに「フッ」と笑う、いわゆる含み笑いする人がいる。こうした人は一般的にプライドが高く、周りから距離をおいているというスタンスが見て取れる。敢えてそういうスタンスを取る場合は別だが、取引先や年配者や上司などがいるときには笑い方に注意したほうがいいだろう。

◆大声で豪快に笑う人は何か企んでいる可能性が…

含み笑いとは対照的に、大きな声で豪快に笑う人がいる。心底から笑っているのならいいが、こういうタイプには、周りに豪快さをアピールしたり、豪胆な人間であるように見せるためにこういう笑い方をしている場合もある。このタイプの笑い方は、周りが落ち込んでいたり心配事がある時に、乗り越える勇気を与えたりする効果があるが、何かを秘めていることが多く、言っていることを鵜呑みにしないようにしたほうがいいだろう。

◆好意を寄せない人への笑みは逆効果

同じ笑い方をしても、相手によって逆効果になることがある。相手が自分に好意を持っていない場合、いくら笑顔を見せても逆に蔑まれていると思われてしまう。こういった仲の悪い相手に対しては、笑顔ではなく別の方法で関係改善を探ったほうがいいだろう。笑顔で接しているのにスルーされてしまっているとすれば、相手が嫌っているのかもしれない。

また相手が深刻な問題に直面しているときなどは、不用意に笑顔を見せないほうがいい。少しでも相手を和ませたり、深刻さを打ち消そうと笑みを浮かべながら喋ったりするが、こうした状況ではバカにされたと思って逆効果になる可能性が高くなる。

話の仕方で人の性格を見抜く

◆ぶつぶつ独り言をいう人

仕事中、独り言をブツブツ続ける人がいる。こういう人は周囲から嫌われがちだ。周りに神経質な人がいれば、イライラの原因ともなる。ただ、独り言をいう本人は日頃からコツコツと努力する人が多く、真面目な頑張り屋であることが多いようだ。独り言は、まじめに努力するからこそ、ついストレスがたまって独り言が出てくると言われている。もちろん朝から晩までブツブツ言ってるような場合は、精神的な病の可能性もあるので、注意が必要だ。

◆声が大きい人

会議や打ち合わせでもやたらと声が大きい人がいる。一般的に声が大きい人は自分に自信があり、逆に声が小さい人は自信がないと言われている。

しかしながら、それは状況次第と言えよう。必要以上に声を大きくする人は、自分の主張を聞いてほしい、自分を認めてもらいたいという願望が強い人の可能性が高いからだ。

人は感情が高ぶったりすると知らず知らずに声が大きくなったりするものだが、それが頻繁に見られるような人は、自分をコントロールするのが苦手な人だと考えられる。性格的にも大人になりきれない子どもっぽい人だと言える。必ずしも声が大きい人が自信を持っている人ばかりではないのである。

◆声が小さい人

逆に、小さい声で話す人もいる。声が小さい人は、人とのコミュニケーションが好きではない人が多いと言える。相手に対して気持ちや意志を伝えるのが苦手なので、人を説得するような高度なビジネスやマネジメントには向いてはいないだろう。ただ大きな声で自信ありげに話して来る人よりはわかりやすいので、よほどのことがない限り、その人に対する誤解や勘違いは少ないと考えられる。

◆早口で話す人

早口で話す人は頭の回転が速い人だと言われる。しかし、そう単純に言い切るのは危険だ。早口で話をする人は大声で話す人と共通しており、自分を認めてもらいたい、同調したいという親和欲求の強い人、幼い人だとも言えるからだ。

営業の基本として、相手のスピードに合わせて話をする「ペーシング」という考え方があるが、ゆっくり話す相手と話すスピードがあまり合わないような人は、相手を考慮しない、つまりお客様の困り事や要望を捉えることができない可能性がある。

◆ゆっくり話す人

話を噛みしめるようにゆっくり話す人がいる。こうしたタイプの人は、性格も慎重で、物事をじっくり進める人だ。ビジネス以外の場では比較的話のスピードが速いのに、ビジネスとなるとじっくり話す人は、ものごとを熟考しながら進める人で、言動には信頼が持てるだろう。

ただあまりにゆっくり過ぎたり、話してみても中身が整理されてなかったりする人は、それほど頭の回転が速い人ではない可能性がある。頭の良さと話すスピードは必ずしも比例しないと考えたほうがいいだろう。

◆ダジャレや流行語を使う人剽軽者?

会話のなかでダジャレや流行語を多用する人がいる。ダジャレや流行語もその場の雰囲気にあったものならいいのだが、場の状況を読まずにやたらと入れてくる人は考えものだ。空気を和ませようとするダジャレは効果的だが、多用するような人は場の空気を読むことが苦手な人だと言える。そういう人は静寂や沈黙が苦手で、自分に自信がない表れでもある。

やたらと専門用語を使う人も同様だ。自分を分かってもらいたいという意識の表れで、プロとしての自信のなさの裏返しだと考えたほうがいい。

◆話の語尾がしっかりしている人

話をする時にその語尾までしっかり言えている人は、話の内容に自信があり、自分の意志が強いと言える。こうした人の会話では、相手に対して意見を求めることが多く、しっかりした意見を持って臨むことが求められてくるだろう。逆に会話の語尾がしっかりしていない人は、話している内容に自信がないことの表れだと言える。こうした人に対しては内容を確認するように会話を進めるようにするといい。

◆話を区切りながら話す人

話をする時にセンテンスの終わりに間を開けて、「タメ」をつくる人がいる。こういう人は自分の話を聞かせたがっている人だ。聞いてもらって、納得してもらうことを求めている。政治家の演説やセミナーの講師などによくいるタイプで、また裁判などの弁護でもよく使われる。「被害者の佐藤さんは、近所のこどもたちの面倒見のいい(タメ)、周りの方に気遣いができる(タメ)、良い方でした…(タメ)。そんな方が…」というように、話のポイントポイントで区切ると、聞き手の関心を引きやすくなる。

こうしたことが無意識にできる人は、一般的に大局観がある人で、世渡りがうまい人に多いとも言われている。逆にそういうテクニックを知っているので、口もうまく、相手が騙されやすいので、交渉の際には注意が必要だろう。

頷いているからと言って、同意しているとは限らない
―しぐさで見抜く

人は会話をしていると仕草という形で何らかの反応をしているもの。代表的な仕草としては、頷きがある。

◆頷いているのにNOのサイン

相手の意見に同意しているような時は、自然と頷きが出てくる。しかし同じ頷きにも微妙な差がある。心理学者で目白大学教授の渋谷昌三さんによれば、頷きには5つの意味があるという。

基本的にYESだが、ただ話を聞いてますよという態度であったり、指示に従うことを示していたりと、食い違いがある。何か具体的なアクションを起こしてもらうような時には、言った指示を実行するかどうかの確認が必要となってくる。

さらに、頷きの仕草を取っていてもNOという場合がある。

相手がわざとらしく何度もオーバーに頷く時だ。話に飽きてうんざりしてきた時や、打ち切ってほしいと思った時にも頷く度合いも激しくなり、わざとらしくなる。同様に必要以上に驚いて見せたりする時も、相手が本心で驚いているとは限らないことがあるので注意が必要だ。話し手は時に夢中になってそういったサインを見逃しがちだが、話し手は会話の途中で相手の態度や仕草を注意深く見ておく必要がある。

また、話し終わった後で、自分で「ウンウン」と頷く人もいる。これは自分が言ったことを自分に納得させたりする時にこういう行動を取る。この場合は話の内容にどこか嘘があり、それで自分に自己暗示をかけている可能性が高い。

同じようだが、話しながら自分で頷いている人は、話の内容を確認しながら話しているので内容に嘘がなく、正直者が多いと言われている。

◆腕組みをする

無意識にする仕草として多いのは、腕組みだ。とくに男性は多い。腕組みは話し手の意見に対して「それはどうかな」という疑問や拒否の意志を示す仕草だ。黙って聞いている、あるいは頷くような仕草を見せていたとしても、腕組みをしている時には基本的に話し手の意見に同意はしていない、話を聞いたというレベルにとどまる。相手の受容度や理解を知るには、言葉だけでなく仕草も総合して判断する必要がある。

◆口の片方が上がり気味の人

喋る時に口の左右のどちらかが上がる人がいる。このタイプは割と感情の起伏が出やすいタイプだと言われている。一方で優しくナイーブな面を持ち、打たれ弱いところがある。ただあまり飾り立てるタイプではないので、行動とのギャップは少ないと言える。

◆目を瞬かせる人

話をしながら瞬きが多い人は、緊張している場合のほか、もともと気が弱い人が多いようだ。目をパチパチさせる人は、相手が自分より格上であることを意識していることがわかる。視線を合わせることが怖くて、つい目をパチパチと瞬かせるのだ。同様に会話中、視線をしょっちゅう外す人も萎縮している気持ちの表れだ。

◆客先で出されたお茶に手を付けずに帰る人

訪問先でお茶やコーヒーを出されるケースがある。こうした時に口をつけるべきかどうか迷うこともあるかと思う。お茶を出されて口をつけずに帰る人は、訪問先の人間と良い関係を望んでいないという気持ちの表れだと言われている。

さまざまな企業や学校で面接経験を持つ谷所健一郎さんによれば、「スクールで体験などで来校した人が入校するか否かは、お茶を飲むか飲まないかで判断できる」という。「入校する人はほぼ間違いなくお茶を飲み、その時決断しなくても後日、入校の意志を伝えてくる。一方、お茶を飲まない人の多くは入校しない」(『「できる人」を1分で見抜く77の法則』)

相手が良い関係を結ぼうとしているかは、出されたお茶やコーヒーを飲むかで分かるのだ。

◆表情がわかりにくい時は左側から見る

人間の体は左右対称ではない。人間感情は左側半分にとくに出やすいと言われている。相手がどう思っているのか判断がつかないような時は、左側を注視するとわかりやすくなる。正面からは向かって右側を見ることだ。たとえば相手が笑っている時も、どうも不自然な感じを受ける時は左側をよく見るようにする。とくに作り笑いの時には左右対称のバランスが崩れがちになる。逆に左右対称のきれいな笑いの場合は、心から笑っていると判断していいだろう。

持ち物やファッションから人を見抜く

◆髪型が同じ人

人生経験が長くなれば、それだけ髪も変化する。男性の場合は、どうしても薄くなったり、白髪になったりとヘアスタイルを変える必要に迫られる時が来る。そういった経年変化とは別に、ヘアスタイルが頻繁に変わる人がいる。若い頃はとくに有名人や芸能人に憧れて、流行のヘアスタイルにすることがあるようだ。

ただ社会人になってもやたらとヘアスタイルを変える人は、まだ自分のアイデンティティが確立してない人だと言える。流行に関係なく、自分の髪型、スタイルを守っている人は自分に自信がある人で、総じて仕事が出来る人だ。これは男女ともに言えることだ。女性の場合は、男性よりはファッションに敏感なので、ある程度の年齢までは流行を気にして取り入れるが、そのなかでも自分のスタイルが早くから確立している人は仕事ができると言える。

周りに対して、自分の個性が主張でき、そのスタイルを守っている人は総じて自分に自信があり、仕事ができる人だと言えよう。

◆ブランド好きな人

日本人は海外の高級ブランドモノが好きな人が多いようだ。持ち物がすべてシャネルだけという「シャネラー」など、身に付けるものをすべて同じ高級ブランドで統一する人もいる。一般的にブランド好きの人間は、男女問わず、権威や肩書に弱い傾向がある。

こうした人は付き合う相手に対して、肩書など同レベル以上のものを求めて、そうでない人とは付き合わないと決めている人が多いようだ。一定レベルに達しないものについては一切妥協しない傾向を持っている。

◆協調性のある人はどんなスーツを選ぶ?

最近はクールビスや働き方改革の影響でだいぶ変わってきたが、ビジネスマンのほとんどはスーツを纏っている。スーツの歴史は長く、その時代時代のトレンドがあった。最近ではカラフルなデザインのスーツやジャケットを着ている人も見られるようになったが、ほとんどのビジネスマンは、紺や黒、グレー、茶といったオーソドックスなデザイン、シルエットを選んでいるようだ。これは自由や個性のために集団から孤立することを嫌う日本人の傾向が表れだ。

とくに濃いグレーを選ぶ人は同調性が強く、孤立することを嫌う傾向がある。

また保守的ながらも茶系のスーツを着る人はお金にこだわりが強い人だと言われている。

ネクタイも人の判断のポイントになる。服装が原則自由という会社でも日本人はスーツにネクタイをしている人が多い。逆にそういった職場でネクタイを締めていない人は、自分に自信がある人であることが言える。

日本の大多数のビジネスマンは、オーソドックスな色合いのスーツを着用し、ネクタイを締めるが、そのなかで斜めのストライプのネクタイを締める人は、かなり同調性が高いかもしれない。無難な柄なので周りから浮くこともなく、目立たないのだ。こういうタイプは周りとの関係を気にするので、何かを出し抜いたり、突拍子もないことを始めることは少ない。スーツとの組み合わせでは、グレーのスーツにストライプのネクタイをしている人は、最も同調性の高い、保守的な可能性が高い人だと言えそうだ。

一方派手なネクタイ柄を好む人は、同じことをじっとしていることに耐えられない人が多いようだ。新しいものに目が向きがちで、斬新なアイデアも出せるが、中身が伴わないケースもある。

水玉模様などを好む人は、自分に自信がある人だ。実力も備わっていて、行動力もある。性格も派手目の柄を好む人よりは、穏やかな人が多いようだ。このタイプは潜在的に人気者になりたいという欲求があり、とくに女性の話はよく聞いてあげるほうだ。

◆ソフトな鞄か、堅い鞄か

鞄も人の心理や性格を色濃く反映します。打ち合わせや人と会う時には、できるだけ鞄を持っていったほうがいい。鞄があるとないでは、ビジネスに対する姿勢が違ってくるからだ。相手の印象が俄然上がる。

できるならワンサイズ大きめのものにする。たとえノートとパソコンしか入ってなくても、ほかの資料があると思わせるような大きめの鞄だ。また訪問先で逆に資料をいただくかもしれない。そのためにも必要なサイズより大きめがいいだろう。

その鞄だが、色が黒や焦げ茶で、硬いものだった場合、その人は信用を重んじる人だと言える。金融機関や保険会社、機械メーカー、公務員などいわゆる堅い仕事の人が持っていることが多いようだ。

一方ソフトな鞄を持っている人は、発想を重んじる人で、素材だけでなく、形や色もバリエーションが多いので、自分らしい個性を出すことができる。こうしたソフトな鞄は、出版社やアパレル、マスコミなど企画力や想力が求められる人に多いようだ。

もし2つ持っているなら、相手が堅い商売の人へのアプローチの時には、固めの鞄で信用を得て、ここぞというプレゼンの時には、ソフトな鞄を持っていくのも方法だ。

◆紐付きの靴を好む人は、仕事に手を抜かず大人の対応ができる

靴もビジネスでは大きな役割を持つアイテムの1つで、その持ち主の性格が表れます。靴がよく磨かれている人は、仕事がまじめでよくできる人だと言われている。逆にスーツや髪型はバッチリなのに靴がよれよれだったりする人は、どこかにスキがある人だと考えて間違いないだろう。

さらに靴のタイプでも性格が出てくる。

ポイントは紐付きか紐無しか。紐付き靴を選ぶ人は社会人として成熟していると言え、目先だけにとらわれず、常に将来を見据えて物事を考えられる人。細かいことも嫌がらずにやり、手を抜くこともない。

一方紐なしの靴を好む人は、何事にも早く結果を出したいと思っている人。どちらかと言うと面倒くさいのが嫌いで、細かい仕事はあまりやりたがらない。ただ物事を合理的に考えることは得意なので、そういった方向を活かす仕事をするといいだろう。

靴の踵の減り方にも性格が表れる。踵の外側が減ってる人は隠し事が苦手なタイプ。内側が減る人は自分のことは人に話したがらない内向的な性格だ。内側も外側も均等に減る人は、人間的にも成熟している人が多く、仕事もでき、性格的にもバランスとれている人が多いようだ。

◆犬派と猫派では?

持ち物で言えば、ペットも気になるところだ。ペット人口は年々増え続けており、なにかと職場で犬自慢、猫自慢が繰り広げられているのではないか。

犬好きの人は犬が従順な動物で、飼い主のいうことを聞くことに魅力を感じていることが多いようだ。その証拠に犬を飼っている人は、だいたい犬に芸を仕込む。これに対して猫は飼い主にも媚びない。何か芸を仕込もうとしてもまず無理だ。餌をもらう時は寄り付いて来るが、それ以外は自由気ままに過ごしている。

つまり犬派、猫派、それぞれの特性を好んで飼っているのだ。

言えることは犬派の人は縦型の主従関係を好み、猫派は横社会の自由な関係を好むということだ。一般に猫派は、犬派より前向き志向で、思い通りにならなくても諦めるのが早く、立ち直りも早いと言われている。犬派は、主従関係がある程度の束縛やルールの中で過ごすことが好きなようだ。また犬派の特徴として犬を人間のように扱う人は精神的に依存度が高い、何かに依存しやすいタイプということが言える。

いかがだろうか? 結構思いあたる節があるのではないだろうか? ただここに載せたことはあくまで専門家の傾向を示している。例外もあるので判断の際は充分注意してもらいたい。

【参考文献】

●『人を見抜く』  渋谷昌三[ 経済界]
●『見た目でだけで人を見抜く技術』  石丸賢一[ PHP 文庫]
●『できる人を1分で見抜く77 の法則』 谷所健一郎[ フォレスト出版]

【POINT】

■ 人の性格や行動は顔つきや仕草からかなりの判断が可能
■ 独り言を言う人は、真面目な努力家
■ 早口で話す人が必ずしも頭の回転が速いとは限らない
■ 大声で話す人は自信がない人の可能性がある
■ 首を縦に3回振る人は、「ノー」のサイン
■ 本音は顔の左半分で判断する
■ 話し終わった後に「ウンウン」と頷く人は、嘘を含んでいる可能性がある
■ 話の途中で「ウンウン」と頷く人は、正直に話している
■ 話を聞きながら目を瞬かせる人は、恐縮している人
■ 腕組みをする人は、意見の受け入れを拒否している
■ 鼻梁が出ている人は経営者が多い
■ スーツに水玉模様のネクタイを締めている人は、仕事ができて、女性との会話が上手い
■ 犬を飼ってる人はヒエラルキーのある関係を好む
■ 髪型が変わらない人は、自分に自信があり、仕事ができる
■ よく磨かれた紐付きの靴を履いている人は、面倒な仕事もしっかりこなす
■ ブランド好きの人は権威に弱い

もう貧しさの象徴とは言わせない 世界が認めるアート、「襤褸= BORO」

「襤褸を纏う」」というと、貧しさ、みずぼらしさ、質の悪さの象徴のような表現だった。いま、その襤褸が世界の注目を集めている。それもみずぼらしさの象徴ではなく、ルイ・ヴィトンやコムデギャルソンなど有名ブランドが注目するファッション、アートと先端なって評価されているのだ。すでに世界中のテキスタイルデザイナーや美術コレクターがこぞって買い求めており、ヤフーオークションやメルカリやフリマアプリでも続々出品され、競り落とされている。

襤褸とは、布がなかなか手に入りにくい時代、主に東北地方などの家庭で、使い古した布を継ぎ接ぎして普段着や野良着として使っていた布、もしくはその衣類を指す。使い古しの布を使うため、一布の大きさや色、素材などには統一性はない。逆に作り手によっては個性が出てくる。サイズや仕上げ方もいろいろで、丹前として、作務衣のような作業着として、家族が一緒に包まる寝間着、ときに装身具や日用品として使われる。また布の柄、パターンもさまざまで、継ぎ接ぎをしながら何世代も使い回すので、その家や一族の思いや習慣、文化が色濃くにじみ出るウエアでもある。

とくに注目を集めているのが、北東北の青森などで長らく使われていた藍染めの襤褸で、その風合いは、まさにヴィンテージもののジーンズ、いや、それ以上の趣をもっている。

襤褸をBOROに変えたきっかけが、民具研究家でコレクターの民俗学者、田中忠三郎(故人)さんが集めたコレクションだ。青森県内に残る襤褸を40年かけ、約3000点を集めた。田中さんが集めたもともとのきっかけは、極寒の厳しい環境のなかで、モノを大切にしながら暮らす、その慎ましさ、心の美しさ、やさしさに心を打たれたことにあったという。

田中さんは襤褸のほか、古民具や古民家など約2万点を蒐集、うち786点が国の重要有形民俗文化財に指定され、520点が青森県の有形民俗文化財に指定されている。

血液、汗や涙、あるいは痛み、そして周囲の声援や思いなどがそこには染み付いている特別な布である。ボトコは夏に川で洗って、乾かして代々、どの家で繰り返して使う。そこには、生まれてくる子ども対して「一人ではないんだよ、みんなが見守っているんだよ」という思いも込められている。

田中さんのコレクションは、知る人ぞ知る存在で、映画監督の黒澤明、作家・演出家の寺山修司などが作品中に使っていたが、近年改めてその存在を世に知らしめたのが、写真家で編集者の都築響一さんである。2009年にペーパーバックの写真集「BORO=つぎ、はぎ、いかす。青森の布文化」を発表すると一躍、服飾、テキスタイルデザイナー、作家、芸術家、クリエーター、キュレーターなどの知るところとなり、その認知が高まった。

都築さんが作品集を出版した2009年には、東京・浅草の「アミューズメントミュージアム」が常設展としてBOROを紹介。その後は各地の美術館や博物館、アートギャラリー等での展覧会などが催され、2013年にはルイ・ヴィトンがコレクションに採用すると、世界中でブームが起こった。

2019年の今年は、世界初のBOROの展示ワールドツアー「AMUSE MUSEUM BORO World TourExhibition 2019-2021」がスタート、オーストラリアを皮切りに、北京、ニューヨーク、ストックホルム、モスクワを巡回する。

BOROを現代にリメイクした新たなブランドも立ち上がっている。「KUON」がそれである。東日本大震災後の復興支援プロジェクト「大槌復興刺し子プロジェクト」をきっかけに立ち上がったソーシャルカンパニーブランドで、Web通販のほか、現在世界12拠点で店舗販売を行っている。

襤褸の様々な素材パターンを組み合わせながら、ジャケットやパンツ、Tシャツ、帽子、コート、フード、バッグなどのアイテムを製造販売している。

青森人の「もったいない」精神は、さらに別の文化を生んでいる。それが裂織(さきおり)という技術である。襤褸は布切れを継ぎ接ぎし、何世代にもわたり使い回すので、そこでまた破け、ほつれる布も出てくる。この布を青森の人々はさらに、布として蘇らせる技を確立したのだ。破け、ほつれた布を裂いて糸のような細い布とし、それを緯糸(よこいと)にする。それに経糸とする麻糸などを使って織った織布である。

裂織の素材は襤褸としても使えなくなった余り布であり、1つの素材が身にまとうすべてをカバーはできない。したがってパッチワークやキルトのような柄が生まれるが、布の単位が細いため、より微細なグラデーションなどの表現が可能となる。

襤褸で注目されているのが青を基調した藍染めだが、裂織は赤や黄、緑、紫など、よりカラフルなバリエーションがある。素朴さとポップさ、懐かしさと新しさが融合するユニークでデザイインフルな素材として、トートバッグや室内履き、ラグなどとして商品化され、人気を集めている。

ボロ布のよう、疲れてボロボロだ……とかくネガティブで貧しい形容にしか使われなかった襤褸。これほど評価が逆転したアイテムも珍しいのではないか。

日本の地方にはまだまだ捨て置かれた宝石の原石が眠っている。黄金の国、ジパングなのである。

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