COLUMN ビジネスシンカー

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2020.01

致命傷になる前に! 経営者必読!! グローバル化時代に求められる真の異文化適応力

オランダ人と議論するのは大変?

議論のスタイルもいろいろだ。仮に意見がぶつかったときはどうなるだろうか。最も率直に言い合うの国の1つがオランダで、上司であろうと遠慮はしない。

ある世界的なオランダ系グローバル会社に買収されたメキシコの会社出身のマネージャーは、オランダで会議を持った時のことをこう嘆いている。

「オランダ人をマネジメントするなんて本当に途方もないことだよ」と。「新しいプロセスを導入しようとミーティングを開くと、メンバーたちはミーティング中にプロセスに異議を唱え始めて、あちこち予期せぬ方向に話が飛ぶうちに、私のプロセスも無視されるばかりか、私が上司だということも忘れ去ったかのようになるんだ」。

オランダはヨーロッパのなかでも平等主義が徹底している国で、組織は階層的でなくフラットにつくられている。そこでのリーダーの役割は、フラットな立場で意見をまとめる役目として存在している。

また、日本人であれば言いにくいようなネガティブ情報も躊躇なく伝える文化だ。

『異文化理解力』の著者でアメリカのインターナショナル・ビジネススクールINSEAD(インシアード)で異文化交渉や異文化リーダーシップなどの教鞭を執っているアメリカ人のエリン・メイヤーさんは、自身がその洗礼を受けたと言う。

それは12人が参加したある重役研修プログラムで起きた。そのプログラムは、アメリカ人とオランダ人が参加して、一人ずつ、それまで取り組んできた難題について語ってもらうことになっていた。最後に語ったオランダ人が自分の問題に対して意見をもらう段になると、早速彼を知る別のオランダ人が「君には柔軟性がないから周りとの折り合いが悪くなることがあるんだ。そのせいでチームとコミュニケーションをとるのが難しくなっているのだと思う」と言ったのだ。

意見を言われたオランダ人の耳はみるみる赤くなり、その後もそのオランダ人が彼の欠点について指摘し続けた。その間残りのアメリカ人出席者は下を向いていたという。研修終了後、複数のアメリカ人がメイヤーさんの元にやってきて、口々に「あの発言は不適切だ」と語ったのだ。

それ以上にメイヤーさんを驚かせたのは、その日、その後で行われた夕食会だった。遅れて会場入りしたメイヤーさんは、件のオランダ人二人が、陽気にシャンパンを飲み、昔からの友人のように笑い合っていることを目撃したのだ。

彼女は率直に伝えた。

「二人が一緒にいるところを見れてよかった。研修が終わったら口もきかないんじゃないかと心配していたの」と。

すると欠点の指摘を受け続けたオランダ人は、こう返したという。「もちろん自分に対するああいう意見を聞くのは楽しいことじゃない。自分がうまくやれていないところを聞くのは良い気分じゃないよ。でも私は彼が裏表なく誠実にフィードバックをしてくれて本当に感謝しているんだ。ああいうフィードバックは贈り物なんだ」

メイヤーさんはこのコメントを聞いてこう思ったそうだ。

「このオランダの文化は、なんというか、私の(アメリカの)文化と違う」と。

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