COLUMN ビジネスシンカー

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2020.05

新型コロナのいまと
コロナ後を考える

余暇を使った生涯学習で、
マルチステージの
人生に対応

いま多くの先進国と言われる国は人生100年時代に入っている。『ライフシフト(LIFESHIFT)』を著したロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラッドン教授によれば、人生は従来の「教育・仕事・定年(隠居)」の3つのライフステージからマルチステージに移ると分析している。つまり定年で退職するというライフステージにはならず、生涯現役、または仕事→教育→仕事→教育といったステージを繰り返すことになる。その際に持つべき資産は自分を「リクリエーション」(再創造)する無形資産だという。そのために人生のなかに挟み込まれる細切れの余暇時間を使うことが大切だと述べる。

さらに彼女は余暇時間での学び方について、3つに分けて学ぶことを得提案している。3つとは「5分で学べること。週末に学べること。2〜3ヶ月にわたらないと学べないこと」だ。

3つ目はこれまでの日本の社会慣習のなかで実現しようとすることは難しいが、テレワークで減った通勤時間などを当てれば十分可能だろう。

すでに教育の現場は遠隔授業化が進んでおり、一般向けの公開講座も増えている。今後議論も出てくるだろうが、キャンパスという場を必要としなくなれば、教育コストは大きく下がり、学費の無償化の可能性も出てくる。有料でもオンラインであれば、低料金で通学の負荷も少なく、学べる人の母数は増える。オンライン教育だけの大卒、院卒も増えていくかもしれない。

ただ、すでに百花繚乱となっているオンライン英会話スクールのように、自分にあったメニューをどう選ぶかは課題となる。

成長する組織の共通項として「ラーニングオーガニゼーション」という言葉が創出されて久しいが、アフターコロナの世界では個人と企業組織が求める「学び」がどこまで重なり、それぞれ学びの欲求に対して企業がどこまで理解・支援するかが問われてくる。

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