COLUMN ビジネスシンカー

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2020.05

新型コロナのいまと
コロナ後を考える

パンデミックに輪を掛ける
世界的蝗害

パンデミックでは世界規模で弱い者に牙を剥く。やっかいなのはアフリカでは新型コロナ前から、サバクトビバッタの大量発生による作物被害が出ていることだ。

4月13日、国連は、アフリカのエチオピアでバッタが大量発生し、20万ヘクタールの農地が被害を受け、100万人が緊急食糧援助を求める事態となったと発表した。このバッタは飛翔距離が100kmから200kmあるとされ、アフリカのソマリア、エリトリア、ケニアに被害をもたらし、中東のサウジアラビア、イエメン、オマーン、イランの作物を食い尽くし、インドを覆い、さらに中国まで被害を及ぼしているという。日本にも早晩やってこないとは限らない。

新型コロナ同様に早期に対策が求められる。飢餓にさらされている地域に対しては、先進国を中心とした国々が手を組み、食糧支援がどこまで可能かだが、現物支給をするにしても、サプライチェーンが寸断されてしまえば、届けることはできない。民間NGOと各国の連携も鍵を握りそうだ。

中長期では促成技術の進化への期待は高まるだろう。いわゆる野菜工場などが各地に広がる可能性は高い。穀物の供給が滞ると畜産農家は打撃を受けるため、肉から野菜へのシフトも強まるだろう。となれば、野菜を原料とした代用肉市場は広がる。トヨタやシャープはいまマスクをつくっているが、そのラインが野菜に変わることも非現実的な話ではない。

食糧ではかねてよりFAOが世界的人口増によるタンパク質不足を問題視、代替として昆虫食を提案していた。すでにベルギーやフランスでも国がかりで農家のコオロギなどの食用昆虫の繁殖を支援するようになっている。アジアでは食虫文化は受け入れられている。食糧不足が深刻化すれば、食用昆虫の養殖も今後進んでいく可能性はある。まずは世界中で蝗害を起こしているバッタ自体がそのタンパク源になるかもしれない。

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