COLUMN ビジネスシンカー

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2020.05

新型コロナのいまと
コロナ後を考える

社員のストレスを取り去る
マネジメントをAIで

企業活動が在宅ワークにシフトすれば、当然、社員の評価法も変わってくる。すでにリモートワークに対応した勤怠システムはある。レッドフォックス社の「cyzen」、テレワークマネジメント社の「F-chair」、NEC ネッツエスアイ社の「テレワークウォッチ」などが知られている。ただ今後は管理だけでなく、ICTを活用して、いかに部下やメンバーのパフォーマンスを上げられるかが問われる。

今回の自粛で改めて浮き彫りとなったのが、リモートワークに抵抗する「粘土層」と呼ばれる中間管理職層の存在だ。稟議書につく判子や交通費の精算などのために会社に通う管理職層が、なかなか下がらない出社率の一因となった。

本来中間管理層は経営層が創出する方針やミッションを担当するセクションに翻訳し伝え、現場から上がってくる情報を事業方針から精査し、重要事項に対しては解決策をもって経営陣に上げていく役割を担うものだが、仕事の進捗管理などが大きな仕事となってしまっているケースも多い。また人材の育成やチームとしての組み合わせなども考慮する必要がある。だが、在宅勤務が中心になると管理や育成がしにくくなる。自律型の人間が求められるため、組織もよりフラットなものとなる。自分の役割を理解し、しっかりとした成果を出しながら、チームとして貢献できる人がより重要になってくる。

近年はデータのデジタル化により人の行動パターンや思考パターンも可視化できるようになってきた。となると、それぞれがどのような働き方、どの時間帯に仕事をすることがもっとも効率がいいのかが見えてくる。たとえば個人がIDに紐付けられ、誰がどのようなパフォーマンスを、どんな資源を使って出したかが自ずとわかるようなシステムなども導入されるだろう。

医療と同じようにより個人にカスタマイズしたオーダーメイドの働き方が模索されることは間違いなさそうだ。その時企業がすべきは、働き方のアドバイザーとなること、もしくはコンサルティングだ。これは人でなくAIでも構わない。

筑波大学准教授でメディアアーチストの落合陽一氏の研究室には40人ほどの研究者が集まり日々先端の研究活動を行っているが、研究室には常時カメラでモニタリングが行われ、研究者の行動を捉えている。落合氏はそのデータからそれぞれの研究者がもっともストレスのかかる時間帯を見つけ出し、働き方や研究者の得手不得手、組み合わせなどを考えているという。

AIが人間の仕事を代替していくことは確実だ。だが人間のパフォーマンスを上げていくためにAIをどのように使うかについては、まだまだ可能性はある。「AI or 人間」ではなく、「人間with AI」という思考は外してはならないと考える。

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