人間は実はいつだって不合理に行動する!?
知ってると知らないでは大違い。
行動経済学のキホン
店頭のオススメPOPは
「手書き」に限る!
一時、手書きPOPでベストセラーを生み出した本屋のカリスマ店員の影響を受け、出版社が手書き風のPOPを大量に配ったことがある。しばらくは話題となって紹介された本もいくらかは売れたことがあるが、「手書き風」は長続きしなかった。やはりナマの手書きPOP には敵わない。
なぜ手書きがいいのだろうか。それは手書きが「より信頼性を増す」からだ。
アメリカのデポール大学では、「伝達手段が変わると正直さが変わるか」という実験をしたことがあった。
被験者の学生48人に、89ドルを渡して、これをパートナーと分けるように指示した。いくらパートナーに渡すかは各自が決め、最初にいくらもらったかをパートナーに知らせるように伝えたのだ。知らせる手段は1つのグループはメール。もう1つのグループが手書きメモ。
その結果、メールで報告していたグループでは、最初にいくらもらったかを正確に伝えたのはわずか8%。対して手書きメモのグループでは37%が正確に伝えている。つまり、メールによる報告は9割が嘘をついていたということだ。国民性、民族性にもよるが、こうした傾向は世界共通だと考えられている。
嘘の具合は媒体によって違ってくるのだ。同じメッセージで信頼してもらうなら、メールを打つより、手紙や手書きPOP、付箋のメモなどのほうが効果的と言えるのだ。
こういったことも言われてみれば、手書きPOPで売れるのも頷ける話だ。