COLUMN ビジネスシンカー

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2021.01

曖昧で不安なコロナ時代を生き抜くための
2つの思考法
アート・シンキングと
ネガティブ・ケイパビリティ

現代アートは「美しいか」ではなく、そもそもの存在、意義を問う
だから日常から離れた視点が萎える

現代アートの作品を見たり、体験した人のなかにはどこがいいのかわからない人も多いだろう。実は現代アートの役割は、「美しいか」という基準を越えて、その存在や作品の意義を問うものになっている。例えば建築家が設計する家は、通常「人間にとって快適な家は何か」を軸に設計する。だがこれをアーチストが設計すると「家とは何か」を問うような建物になる。

球体のような形にこだわる場合もあるだろうし、鉄や土など材料にこだわったりするだろう。全面ガラス張りのスケルトンで家を設計するかもしれない。住みやすさ、人間的なことは二の次になってしまう。

この実用性を離れて、「そもそも、それは何か」を問うのが現代アートなのだ。アート思考が注目される一因には、この「そもそも」を問う姿勢があるからだ。そもそもを問うにはできるだけその物がある場、前提としている日常から離れることが必要となる。つまりアートは人間の思考、ものの見方、捉え方を日常から遠ざけてくれるのだ。

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