COLUMN ビジネスシンカー

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2021.01

曖昧で不安なコロナ時代を生き抜くための
2つの思考法
アート・シンキングと
ネガティブ・ケイパビリティ

VUCAの時代を生き抜くためには
ロジカルシンキングだけでは太刀打ちできない

この数年話題となっている言葉にVUCAがある。

VUCAとはV=Volatility( 不安定さ)、U=Uncertainty( 不確かさ)、C=Complexity(複雑さ)、A=Ambiguity(曖昧さ)の頭文字をとったもので、現代社会に横たわる課題や問題が一筋縄では解決できないという状況を表現する言葉として広がっている。

ただ思い返せばバブル経済が崩壊して以降、日本は目標らしい目標を失い、不確かで不安定なまさにVUCAの状態が続いてきたようにも思える。不安や不安定に慣れてしまっているというと言い過ぎかもしれないが、昭和的な護送船団的の時代は徐々に崩れ、組織より個人へ、物から心へといった価値軸の多様化と変化が進み、さらにそれぞれが複雑に絡み合う社会になってきたことは、少なからずの人々が実感しているのではなかろうか。

その間、こうしたVUCA時代の羅針盤づくりのための思考法が生まれ続けてきた。ただどちらかと言えば、先にあるべき姿を設定し、そことのギャップを分解・分析し、そこに至るまでのプロセスを策定し実践する、ロジカルな思考法であり、実践であった。

ロジカルシンキングはその代表であり、それを具現化するために用いられたのがPDCAという実践サイクルだった。P=Plan(計画)から始まるPDCAサイクルは、まさに問題やギャップを確定し、そこを埋める、あるいは目標にどり着くまでの行動プロセスを明快に示し、それを実践し、その結果と目標や想定とのズレを修正していくという作業だった。ただPDCAは、右肩上がりの昭和に馴染んだ思考と実践手法だったと言える。

だがVUCAの時代はこのPDCAを当てはめにくくなっている。

VUCAの時代では、そもそも何が問題なのかも把握できない。問題を把握したとして、どのような状態になれば、解決できたといえるのかもわからない。そんな悩めるVUCA社会に追い打ちをかけたのがまさにコロナだ。感染対策を取りながら経済を回していくという極めてアンビバレントな行動を成り立たせるためには、何をもって成果とするのか、どこの誰をターゲットにどのような行動を進めるべきなのか、その立ち位置によってまったく変わってくる。

そこでクローズアップされてきたのが、「アート・シンキング」と「ネガティブ・ケイパビリティ」である。

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