COLUMN ビジネスシンカー

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2021.02

サスティナブルな社会と会社の基軸
ESG、SDGsに取り組む前に知っておきたい
みんなの幸福学

社員が成長できる
”ちょうどいい”難易度の仕事を与える

前野教授は、このほか「幸せ企業体質」にするためには、権限移譲のほか、仕事の難易度も重要だという。

近年、仕事のやりがいの研究のなかでトピックになっているのが、「没入感」だ。没入感は最近のゲームや家電業界でも話題となっているバズワードだが、前野教授は仕事におけるこの没入感が人間を成長させるとしている。没入感を得るためには、簡単にこなせる仕事ではなく、能力の限界ギリギリで挑んでいく仕事がポイントになる。限界ギリギリで達成した仕事や業務は間違いなく本人を成長させ、幸福感を得ることができる。

部下にとってどのレベルが没入感を感じるような仕事なのかの判断は難しい。だからこそ、前野教授は「ふだんから愛情をもって接しているかが問われる」と語る。

幸せを語るのは簡単かもしれない。ただこれまで語ってきたように、幸せを取り入れることは案外難しいものだ。

同じ環境をつくっても受け取り方、感じ取り方は違ってくるからだ。

アメリカの幸福学の権威でポートランド州立大学教授の心理学者、ロバート・ビスワス・ディーラー氏によれば、人生の満足度は40代後半から50代にかけて一番下がり、その後は徐々に満足度は上がってくるという。ただしこれは欧米の場合。欧米ではこの年代になると離婚が増えるのが理由だ。日本の場合はどうか。総理府の統計によれば、人材満足度が高齢者になるにつれ、下がる。したがって幸福環境を整えても幸福感が上がるのは若い世代の率が高い。

鉄は熱いうちに打て、ではないが、幸福感も若いうちに刻み込ませるのがポイントになってくる。

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