COLUMN ビジネスシンカー

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2021.04

天才作曲家ヴィヴァルディを支えた
世界初の女性楽団
「フィーリエ・デル・コーロ」

コロナ禍のいま、
歴史に埋もれたいた貧しき
「天使の歌声と演奏術」を聴く

フィーリエの影響を受けた作曲家はヴィヴァルディだけではない。バロックの主要な音楽家からさらに、上述のバッハやハイドン、モーツァルトなどクラッシックの巨匠たちもインスピレーションを受けている。

ハイドンはフィーリエの一人でハープ、オルガン奏者のビアンチェッタのために曲を書いており、モーツァルトは子どもの頃と10代にオスペダーレを訪問している。フィーリエがさまざまな楽器を演奏できたからこそ、作曲家は深く演奏を洞察でき、今日のようなオーケストラの基礎につながったと言われる。少なくともモーツァルトの代表的な宗教曲の1つは、ベネチアのピエタの少女たちの力がなかったら生まれなかったと言われている。

何故、これほどの才能を持った彼女たちの存在が埋もれていたのか。それは、ナポレオンがベネチアを侵攻したときにその資料を運河などに散逸させたからだった。

かつてヨーロッパ中を感動の渦に巻き込み、近代音楽の発展に多大な影響を与えた「天使の歌声と演奏術」を持つフィーリエ・デル・コーロ。

コロナ禍の春。歴史に埋もれた貧しき女性たちの存在に思いを馳せて、ヴィヴァルディの協奏曲の調べに耳を傾ける時間をつくるのも、いまの時代ふさわしいことなのかもしれない。

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