COLUMN ビジネスシンカー

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2021.06

アフターコロナ時代を生き抜く技術発想
プリンタとエンジン技術の関係とは・・・
技術の応用力を磨け!
あの技術はこう生かされた!

日本の伝統
「折り紙」技術が
医療のフロンティアを拓く

こうした古来の伝統技術が新分野を切り拓くこともある。いま世界が宇宙開発に躍起になっていたが、この宇宙開発技術でも日本の古来技術が使われた。心柱よりもっと身近で素朴な技術・・・折り紙だ。

1970年、東京大学の航空宇宙研究所の三浦公亮教授は人工衛星のソーラーパネルのたたみ方を研究するなかで画期的な折り方「ミウラ折り」を開発した。直角までにいかない緩い傾斜角で山と谷を交差させることがポイントで、端をもって引っ張るだけで簡単に面に展開でき、また収納も簡単にできる。山と谷が固定され、ずれることがないので、角が破れたり座屈することが少なく、長く使えることが特長となっている。

ミウラ折りは人工衛星のソーラーのほか地図や極薄のアルミ缶の強度補強のために、そのパターンが使われたりしている。

実はいま日本の折り紙は世界的に注目を集めている。この技術を活かす「折り紙工学」という学問も確立されている。一枚の紙から複雑で強度の高い構造物が手軽にできるため、ハニカムコアやトラスコアなどの折り紙のパターンを使ったパネルなども生まれている。とくにトラスコアは2つ重ねると平板の7~8倍もの剛性を生み出すと言う。ほかにも宇宙での構造物はもとより、医療分野の人工血管(ステント)に「なまこ折り」などの技術が応用されているほか、災害時の避難所やシェルターなどの応用など、さまざまな期待がかかっている。

いかがだっただろう?ポストコロナ時代のビジネスのヒントになっただろうか。

新型コロナとの戦いは長く続くだろう。それは図らずも従来のライフスタイル、ビジネススタイルに対して問いかけがなされているようにも思える。先の見えにくい混沌の時代だが、これまで以上に必要とされる商品や技術は篩にかけられることになってくる。本当にに必要なものは何か。そこに求められる技術の本質は何か。長期的な視点に立った選択眼と構想力が問われていることは間違いない。

自社の強みや魅力をあぶり出し、何のために存在するのかじっくり問いかけるのもいいかもしれない。

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