COLUMN ビジネスシンカー

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2020.07

【new comer&考察】
代用肉で注目。大豆が地球を救う!?
じわり広がる市場とパワー、「大豆」

大豆需要で増大で起こる環境破壊

ただ懸念もある。世界的な大豆ブームで、世界中の森林やサバンナが大豆向けの農地に転用されていることだ。WWF(世界自然保護基金)によれば、空前の大豆ブームでこの50年で、世界の大豆消費量は2700万トンから2億6900万トンに増え、その作付面積も100万k㎡まで広がっている。これはフランス、ドイツ、オランダ、ベルギーを合わせた広さである。とくに南米では1990年に1700万haだった作付面積は2010年は4600万haと、3倍近くにも拡大している。

WWFはこうした現状に対して「責任ある大豆生産」を提唱。森林や草原や湿地など生態系を破壊するような場所の農地転用を認めず、持続可能な生産方法を守る農業者に与える認証制度などを各国政府に推奨している。

大豆がこれほど注目されているのは、爆食大国である中国の存在が大きい。中国のGDPが急激に伸び始めた2000年代中頃から、食肉の量も増え、これに沿うように世界中で家畜の飼料となる大豆の消費量が増えたのだ。このため大豆の世界相場が一気に高騰し、世界
的相場の指標となるシカゴの大豆市場では2006年から08年にかけて3倍の価格をつけている。その後は一旦下ったものの、底値が高止まりし、従来の2倍から3倍の価格が続いている。

中国の肉需要は当然国内では賄えず、輸入量が拡大したが、なかでもブラジルやウルグアイなど南米からの輸入量が急増。先の大豆農作地が南米で90年代から2010年までの間に作付面積が拡大したのも頷ける。

日本でも大豆の消費拡大を受け、国産大豆の自給率も上がってきている。2013年までは8 〜10%で推移していたが、2018年には過去最高の25%まで上がっている。品種改良も積極的に行われ、長らく上位を占めてきた品種にもこの数年で動きが見られるようになった。

農水省のデータでは国産大豆の登録品種は138種もあり、味噌や豆腐など用途や地域風土に合わせて改良されてきた。使われる商品の幅が増えれば、より個性や特長をもった大豆が生まれてくるだろう。

大豆の可能性はまだまだありそうだ。

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