COLUMN ビジネスシンカー

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2019.12

【new comer&考察】
ガラパゴス化再考
脱コモディティ化を目指すなら、ガラパゴスでしょ!

もう1つ代表的ガラパゴス商品として上がってくるのがガラケーこと、旧来型の携帯電話である。ガラケーのガラはそのままガラパゴス化を意味しており、まさにこのガラケーから日本の商品やサービスのガラパゴス化論議が始まった。すなわち携帯電話キャリア、メーカーが巨大なガラケー市場をスマホが奪ってしまうことを憂慮したため、世界のスマホ市場で遅れをとってしまったというもの。つまりいずれ、世代交代するのは目に見えており、その新しい技術に先行投資をせずに目先の利益に執着したため、電子立国の日本の地位がガタ落ちしたというのが大方のアナリストの見立てだ。しかし、2019年現在でもガラケーは新機種が誕生しており、それどころかこの数年はガラケーの売上が伸びている。

理由としては進化するスマホがだんだん大きく、重くなり、携帯性に乏しくなっていること、(スマホに比べ)料金が安い、バッテリーの持ちがガラケーのほうが何十倍も持つというようなことが、理由として上がっている。なかでも最近増えているのが、「断スマホ」ニーズだ。スマホの場合、電話より、SNSやアプリの告知など四六時中スマホ画面を見て、アクションを起こす必要があったりなど、生活時間のかなりを支配されることに負担を感じているようだ。いわゆるSNS疲れだ。ガラケー専門店の「携帯市場」の調査では「断スマホしたい」という声は年代が下がるにつれ多くなり、10代・20代のスマホユーザーが最も多かった。

ガラケーの良さが改めて見直されている模様だが、気になるのは通信速度高速化による、ガラケーの周波数帯が使用できなくなることだ。2020年から3Gが終了するため、これに対応していたガラケーが使えなくなる。ただ4G対応のガラケーもあるので、こちらに乗り換えるか、または4G対応のフリーCIMを使うことで対応ができる。ガラケーの基本機能は大きく変わっていかないだろうが、その性能やデザインは変化し、まだまだ進化していくだろう。

電気炊飯ジャーも日本を代表するガラパゴス商品と言える。最近こそ収まりつつあるが、韓国や中国、台湾などの爆買で各メーカーは特需を迎え、日本の家電量販店では、何台も買い求める中国人や台湾人の姿も珍しくなかった。炊飯ジャー自体はいまは二分化され、普及版が中国で現地生産されているが、日本ではどんどん高級化し、1台10万円超えも珍しくない。少子高齢化、人口減少で米の消費自体は減少しているものの、電気炊飯ジャー市場自体は拡大し続けている。和食が世界食として広がっていくなかで、今後日本の電気炊飯ジャーはさらに市場を拡大していくだろう。

総合商社という仕組みも代表的ガラパゴスの1つだろう。一般的に貿易会社は専門的な、自分たちが得意とする商材に特化して扱っているが、日本の総合商社はそれこそ、ラーメンからミサイルまでと皮肉られるほど、ビジネスのタネとみれば、あらゆるものを扱い、拡大していった。

とくにバブル崩壊以降は、商社という枠を超え、積極的に川上川下にも乗り出し、メーカー機能や、農業や漁業の1次産業も取り込むケースも増えている。現代のビジネスは複雑なネットワークと組み合わせでできているため、情報やそこから生まれたノウハウ、知恵を持ってるスペシャリスト集団が価値を生み出しやすい。

最近ではスタートアップなど外部の技術を持った新興企業などと組む例が増えているが、それでも社内リソースと情報が豊富な総合商社は自社系列や取引先、ときに国や自治体と手を組んで事業を生み出し、成長させている。

このほか、お尻を洗って乾かすという機能を生み出したTOTOのウォシュレットは、「シャワー付きトイレ」という市場を生み出した、日本を代表するガラパゴス家電の1つだろうし、酒税との戦いから生まれた「第2のビール」や「第3のビール」、「ノンアル
コールビアテイスト飲料」も明らかにガラパゴス飲料だ。

もっと言えば、クール・ジャパンの代名詞である日本のアニメもガラパゴス商品だ。3D化が進む世界のアニメ市場で日本は2次元の細やかな表現力にこだわり、世界を唸らせてきた。

このように日本の商品やビジネスモデルは、ある種ガラパゴスだからこそ、グローバル市場で生き残ってきた。ユニークでそこそこニッチな市場であれば、海外企業が入り込みにくい。そのなかで技術や機能を磨き続けていれば、いずれ海外で評価される可能性は高い。

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