COLUMN ビジネスシンカー

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2021.07

先の見えない時代だからこそ必要?! 何故、優良企業は
「企業神社」を祀っているのか?

同じ会社に集った「社縁」を
大切にしてきた日本企業

なぜ日本企業に企業神社があるのかについては、諸説ある。

ただ事業経営という先の読めない世界で末永く生きていくためには、一種のリスクヘッジとして考えられていたのではないだろうか。小売や卸売りなどでは商売繁盛を祈願し、建設や土木業、運輸などの危険と隣合わせの業界では安全祈願といった神を勧請するケースが多いのはその証左と言える。また業容が大きくなるにつれて、稲荷さまや八幡さまなど複数の神を合祀することも1つのパターンとしてみられるようだ。

国学者や社会学者のなかには、日本企業は地域との関わり「地縁」を大切にしてきた文化があり、それが会社という組織のなかで「社縁」という形式に置き換わり、 その象徴として企業神社が増えていったと説明する人もいる。

また組織が大きくなっていくとそのコミュニケーションをとることが難しくなっていくが、そのコミュニケーション活性化、意識共有のエンジンとしての役割を担っていたのではという声もある。

いまでこそ起業というと、最初からミッションやビジョンなど高らかに掲げ、提供価値や存在目標を共有できるようになった。共有したミッションを軸としたコミュニケーション理論や手法も開発されている。しかしながら言葉によるコミュニケーションが苦手な日本企業においては、見えない価値や社員全体で共有したい思いなどを共有し、行動に落としていくためには、こうした神様の見えない力を必要としたのかもしれない。

前述のパナソニックの祭祀担当者は、ある取材でこんな言葉を残している。

「こうした神事は直接、会社の利益には繋がりません。会社にとって利益をあげることは当然重要ですが、そればかりに目を向けていたら大事なことが見えなくなることもあります」

なんとも深い言葉だ。

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