COLUMN ビジネスシンカー

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2021.07

先の見えない時代だからこそ必要?! 何故、優良企業は
「企業神社」を祀っているのか?

トマトソースのカゴメは
稲荷神社を祀る

東洋水産のように商売繁盛の祈願の対象となる稲荷神社を奉る企業は多く、化粧品のポーラも自前の神社、「ポーラ稲荷」を持っている。同じく化粧品・サニタリー商品メーカーの花王も「稲荷神社」を祀っている。

トマトソースで知られるカゴメも稲荷神社を祀っている1社だ。

カゴメの創始者である蟹江一太郎は、明治時代の兵隊だったが、除隊時に上官から、今ではどこの食卓にもあるキャベツやレタス、トマトなどの西洋野菜の話を聞き、この栽培と販売で事業を起こそうと考えたのだった。

蟹江は早速輸入種子を購入し、栽培すると翌年、見事芽が出た。これが日本にキャベツやレタスなどの西洋野菜が普及し始めた最初と言われている。

このキャベツやレタスは、高値で売れたものの、トマトはその独特の匂いから売れなかった。

蟹江はトマトの栽培を止めようと思ったが、その時に「欧米ではトマトを加工して食べている」という話を聞く。それがトマトソースだった。蟹江はその後改良を加え、日本人に合うトマトソースを開発、時代の西洋化に伴い徐々に普及していった。

そして1914年(大正3年)、愛知トマトソース製造合資会社を設立。その時の製品にカゴメ印を使ったことからソースと言えばカゴメという認知が広がっていった。 

戦後カゴメは勝負に出る。関東に大型工場を2つ設立したのだ。1962年(昭和37年)に7万トンのトマトを処理できる茨城工場を茨城県美野里町に稼働させる。ここに勧請したのが京都の伏見稲荷の分霊。以後トマトと言えばカゴメの名前が定着し、安定して成長していった。

今カゴメは社員満足度の高い企業として知られ、経産省と日本健康会議が認定する「健康経営優良法人〜ホワイト500 〜」に3年連続に選ばれている。こうした満足度の高い経営の陰に伏見稲荷のご利益があるのかもしれない。

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