COLUMN ビジネスシンカー

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2021.07

【new comer&考察】
カーボンオフセットの救世主になるか!?
海洋国ニッポンにはブルーカーボンがある!

炭素蓄積・吸収量が熱帯林の
25倍の海藻場、
40倍のマングローブ林

ブルーカーボンとは、大気中の二酸化炭素(CO2)が海のなかに生息する海藻や海草、マングローブ林、湿地・干潟などが光合成を通じてその生物、あるいは海底に吸収、貯蔵された炭素をいう。陸上のカーボン吸収源が緑色の植物であることから「グリーンカーボン」と呼ばれるのに対して、海に生息する海草・藻類が吸収することから、海の色であるブルーに因み「ブルーカーボン」と呼ばれる。

グリーンカーボンにブルーカーボンが加算されることになれば、地球全体のカーボン削減は一気に加速しそうだ。

ブルーカーボンが世に発表されたのは、2009年の国連環境報告書(UNEP)においてだから、名称ができてまだ10年そこそこ。まさにニューカマーだが、研究機関や研究者も続々と現れ、その実体が次第に明らかになっている。

肝心のポテンシャルだが、カーボンの吸収源となる海中の海草・藻類が生息しているのは、太陽の光が届く浅い海で、面積では海洋全体に1%程度。そこに吸収されたカーボンの約8割が蓄積されている。全体からすればごくわずかの印象だが、ブルーカーボンは貯蔵スピードが速い。単位面積では、たとえば海藻の生息する一帯では、熱帯林のおよそ25倍を貯蔵する。ブルーカーボンにはマングローブも入るが、マングローブ林では熱帯林の40倍以上も蓄積できるとの研究結果もある。ただ全体の面積が小さいため、面積の掛け算になると熱帯林や温帯林とほぼ近い炭素蓄積量になってくる。

ただこの有力なブルーカーボンを溜め込む生態系は、森林と同様に年2%が消失しているという。そのための保護対策や整備が求められている。

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