COLUMN ビジネスシンカー

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2021.10

知っていれば、ビジネスが楽になる! 経営心理学の基本講座

モチベーションは人にどう作用するのか

人を成長させていくためには、その人の「やる気」を高めていく必要がある。人はそれぞれ「やる気」のスイッチ、すなわちモチベーションを持っている。

ある人は給料が上がるということがそのモチベーションになるかもしれないし、ある人は、早く帰ることができることがモチベーションになるかもしれない。別の人は、上司に評価されることがモチベーションになるかもしれない。はたまたお客様からの感謝の言葉かもしれない。

十人十色のモチベーションだが、共通のステージがある。よく知られているのが、アメリカの心理学者エイブラハム・マズローが唱えた「5段階欲求説」だ。マズローは、人は下位の欲求が満たされると高次の欲求に移行していくということを唱えた。

人間は、生きていくためにまず眠りたい、排泄したい、食べたいといった「生理的欲求」があり、それが満たされると、次に病気や事故に遭わない、あるいは経済的に安定したいという「安全への欲求」が生まれる。さらにそれが満たされると愛情や信頼に基づく人間関係や組織に所属したいという「社会的欲求」が生まれ、さらにその社会的欲求が満たされると、周りの人から認められたいという「自尊の欲求」が生まれる。そして最後に、理想とする自分、自分が目標としているところに近づきたいという「自己実現の欲求」にたどり着くという理論だ。

おそらくほとんどの方が聞いたことがあると思う。しかし自己実現した人がどのような特徴を持つようになるかは、ご存知だろうか。

マズローによれば、自己実現した人は次のような特徴があるという。

1)現実をより有効に知覚し、より快適な関係を保つ

2)自己、他者、自然に対する受容

3)自発性、単純さ、自然さ

4)課題中心的

5)プライバシー欲求からの超越

6)文化と環境からの独立、能動的人間、自律性

7)認識が絶えず新鮮である

8)至高なものに触れる神秘性がある

9)共同社会感情

10)対人関係において心が広くて深い

11)民主主義的な性格構造

12)手段と目的、善悪判断の区別

13)哲学的で悪意のないユーモアセンス

14)創造性

15)文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超

こういった特徴がある人は「自己実現がなされた人」とみなしていいし、こういった特徴を持つ人がたくさんいる企業は、仕事に対する満足度の高い企業と言える。

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