COLUMN ビジネスシンカー

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2021.10

【new comer&考察】
非接触サービス、続々。コロナで完全移行⁉
変わる小売の「あたりまえ」。

難しいと思われていたデパートの服飾やシューズ売り場でも非接触化が進んでいる。

「そごう・西武」のワイシャツ売り場では店員が客に触れることなく採寸ができるシステムを導入。客の正面と側面をスマホで撮影するだけで24項目の採寸が可能で、その数字を読み取り、スマホの専用アプリ「ボディグラム」に身長や体重、年齢などを入力するとAIが適正なデータを割り出し、それをもとに店員が客に合ったシャツを提案する仕組み。従来であれば標準的な体型からバリエーションを拡げていくため、たとえば首周りが太い、手が長い、短いなどの細かい体型差などメジャーで測定して、絞り込んでいたが、このボディグラムでは気に入ったジャストサイズのシャツが、メジャーで測ることなく探せる。

「三越伊勢丹・新宿店」では、商品をまとった店員が自撮りして、そのスナップ画像をオンラインストアにアップしている。商品のコーディネートは店員が自在に組み合わせる。アップする写真はポーズを変えて素材感や着用感、サイズ感など伝えるほか、専用アプリでチャットによる問い合わせもできる。

リアルとバーチャルのコラボはうまくいっているようで、このサービスを利用した客単価がおよそ2倍に上がったほか、このサービス経由のオンラインストア購入も2倍に増えたという。

同店では、レディース・メンズウエアのほか、キッチン用品や食器などのインテリアでもスナップ画像連携サービスを行っている。

一方、神奈川県にある「そごう横浜店」の婦人靴売り場では、非接触で足のサイズを測定できる「MY SIZE studio」を開設。全日本革靴工業協同組合連合会が開発したスキャンニング型の測定器に裸足で乗ると、15秒で足サイズを測定。ここで割り出されたデータをもとに、長さ別、足幅別に用意された80種のパンプスを試し履きして、確認する。いわゆるシューフィッターが直に足に触れて測定する必要がないため、手軽に自分の足サイズに合った靴を探せるのが魅力だ。

同店では利用者のおよそ半数に近い客が購入しているという。

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