COLUMN ビジネスシンカー

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2021.11

エコノミスト・アナリストはこの経済指標を使う! ビジネスマンだけではなく、
日本人が知っておきたい経済指標

指標を見る時にはその二面性を考える

このように景況や経済の先行きを読む時には、その指標が意味する二面性を見ていく必要がある。

たとえば円高は輸出にマイナスだが、消費者にはメリットがある。またリストラでは企業の収益が好転する一方で、雇用者の所得は減少する。物価下落は消費者の購買意欲を引き出すが、一方で売り手の収益悪化につながる。また低金利政策は、企業の負担減となる一方、家計の金利収入が減る。

久留米大教授で「初心者のための経済指標の見方・読み方」を著した塚崎公義さんによれば、個々の経済指標は振れがあるので、こうした経済指標を見る時には、大局観を持つことが大切だと言う塚崎さんはその心得として、次のようなことを挙げている。

1. 重要な経済指標を数個選んで、数ヶ月分のデータを凝視する

2. 0.1がマイナス0.1となった場合、「マイナス」になったことが重要なのか、「ゼロ近辺での動き」と捉えるかを考える

3. 「海水の水を口に含んだら水が減る」「風が吹けば桶屋が儲かる」という議論は理屈は正しくても経済予測には有害

4. タイムラグに気をつける。たとえば日銀が金融引締めを発表した翌日から景気が悪化するわけではない

5. 大局観と思い込みは異なる。大局観と違う経済指標が出たら謙虚に問いなおす

刻々と変化する経済の先を読み通すことは専門家でもなかなか難しい時代だ。しかしエコノミストや経済アナリストと同じ視点に立って経済指標を読み解き、自分なりの仮説、大局観を検証し続けることで、より的確な経営判断や事業判断につなげていくことはできるはずだ。

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