COLUMN ビジネスシンカー

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2022.01

あらゆる企業が押さえておきたい トヨタのTPS(トヨタ生産方式)と現場発想の原点

トヨタが大事にしている仕事の哲学

1 一人ひとりがリーダーになる

トヨタには、スティーブ・ジョブズやビルゲイツ、孫正義などの世間で言われるところのカリスマと呼ばれるような人はいない。しかし現場にはカリスマと言われる主役級の人材が沢山生まれているそうだ。

それは誰もがリーダーの自覚を持って仕事をするからだ。トヨタではそれを仕組みとして生み出している。具体的には、「5S:整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」「改善」「問題解決」などの手法だ。トヨタの社員が新人からこれらの段階を経て、現場のリーダー、その上のリーダーを育てるしくみを構築しているのだ。

2 2つ上の目線で見る

何かを考える時は、直属の上司の目線に立つのではなく、2つ上の上司の目で見るということだ。工場の場合、上司が班長であれば、その上の組長の目線。

事務職では一般社員が課長の目線で考えるということだ。課長の目線に立つことで、その部署の将来がどうあるべきか。自分の同僚や部下の幹部候補生をどのように育てていくべきなのか。そういう目線を持つことになる。

2つ上の目線で見ることは仕事の改善を進める上でも役に立つ。

等身大の視点で考えると「もう改善することなんてない」と思っていても、2つ上の視点に立てば改善するポイントがまた見えてくる。同様に社内だけでなくお客様と接する時も、自分たちの上の視点を持てるかどうかで仕事の成果も大きく変わってくる。よく商売では「お客様と同じ目線を持ちなさい」と言うが、それだけでは十分な満足度をお客様に与えることができないだろう。お客様よりも2つ上の目線を持ちながら、お客様と同じ目線で語りかけていく。この両者があってはじめてお客様に満足してもらえる商品・サービスが提供できるものなのだ。

3 給料はお客様から貰っている

企業のトップや個人事業主などはこういった意識は最初から持っているだろうが、組織の中の人間だと、たとえ理解していたとしても行動に反映することは難しいと思われる。

トヨタの仕事には、「仕事における5大任務」というものがある。それは—

1. 安全で働きやすい職場を作る(安全)

2. 不良品を作らない(品質)

3. 短い時間で必要数を納期通りに作る(生産性)

4. できるだけ安くつくる(原価)

5. 優秀な人材を育成し定着させる(人材育成)

言われてみれば当たり前のことだが、給料はどこから出てくるということを認識していれば、この5大任務の理解がより深いものになる。

4「動く」ではなく「働く」

大して価値もない作業をして「忙しい忙しい」と言っている人は少なくない。特にパソコンなどと向き合ってるとそういった作業が多くなっているかもしれない。あるいは生産現場や倉庫などの動きを見ても、そういったことは無意識に行われているだろう。

仮にあなたが家電メーカーの社員として、量販店に対して営業を担当しているとしよう。まず売り場を見に行って自社商品の売れ行きをチェックする。それからバックヤードに置いてある商品を取り行って棚に補充する。これはよくある作業だ。

しかし営業担当にとって1番大切な仕事は、売り場の責任者の時間を確保し商談することだ。仮にバックヤードまで片道6分をかけて商品を取りに行くのなら、それは価値を生まない無駄な時間だ。その時間を商談に当てたほうが売り上げにつながる。

ではどうするか。たとえば一度売り場に行く前に、事前にバックヤードから商品をピックアップして補充が必要なものだけ棚に置いてくる。そうすれば売り場とバックヤードだけ往復する必要はなくなる。

自分にとっての1番の仕事は何か。何をやると価値が生まれるのか。そう自問自答をしていくことで、仕事は何倍の効果を生むものだ。

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