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「魅力ある看板」の基本を知る

 にわかに熱気を帯びるメタバース。インターネットやコンピュータネットワーク上に構築された仮想空間のことだが、アバターと呼ばれる自分の分身を通じてゲームや会話だけでなく、ショッピングやスポーツ、旅行、商品の開発や製造、サービスの提供といった経済活動もできる。メタバースはさまざまな事業者がサービスを提供しているが、その中身はどんどんリアルに近づいている。なかでも現実の生活空間をリアルに再現しているメタバースはデジタルツインと言われ、注目を集めている。
 今後は無限に広がるメタバース都市において、いかに集客できるかが問われる。そこで押さえておきたいのが「看板」である。リアルでもメタバースでも「魅力ある看板」は人々、あるいはアバターを磁石のように惹きつける。来たるべきメタバース時代に先駆け、街の集客マグネット「看板」の基本を学んでおく。

リアルに近づくメタバースだからこそ
看板の集客力に期待

 メタバースが話題になる前から、低価格で手軽に集客できるツールとして街中の看板が見直されてきた。看板は集客の基本であるからだ。
 繁華街はもとより、人通りが少ない郊外でも看板の場所や位置、形、デザイン、キャッチコピーなどを変えるだけで、集客力ががらりと変わる。看板を作り替えただけで閑古鳥が鳴いていた店が大繁盛したり、潰れかけていた会社が立ち直った例は枚挙に暇がない。
 日本では「看板」という言葉は、商売上大きな意味を持っていた。昔から売れ筋商品を「看板商品」。集客力のある人気女性店員のことを「看板娘」と呼んだ。現代でもテレビ局などの人気アナウンサーは「看板アナ」、劇団の実力俳優、人気俳優のことを「看板俳優」などと言っている。
 また商売を畳むことを「看板を下ろす」などというように、看板にはビジネスそのものの意味が込められている。つまり看板はそのビジネスの存在価値、その店舗や会社のブランドやのれんを意味する言葉であり、集客力のある看板を考えることは、自分のビジネスの本質を考えることでもある。

客の一部を捨てることができてこそ
コンセプトが立つ!看板が活かせる!

 自分の店、自分の会社にあった看板を考える時にはどうすればいいのか。
 看板コンサルタントたちが指摘するのが、まず①自分の店の特長、コンセプトを考えること ②商売の存在意義を確認すること ③自分の店がお客や消費者からどのように見られているかを知ること、だという。
 ①の店の特長、コンセプトを考えることは、自分の店のウリとなる部分を絞り込んでいく作業である。看板コンサルタントの高橋芳文さんによれば、「コンセプトを絞っていくことは、お客さんの一部を捨てること」だと言う。
 お客さんの一部を捨てることができない店=特徴のない店になることだ。そういう店はお客さんから選ばれない。
 たとえばお昼のランチに何か食べたいと思ったとしよう。その時、1)ラーメンとそばを出す店、2)ラーメン専門店、3)そば専門店の3つの店があったら、どこに入るだろうか?ラーメンが食べたいと思った場合、事前情報がなければ、選択肢はラーメン専門店とラーメンとそば店の2つになるが、おそらくラーメン専門店に入るはずだ。そばの場合も同様だ。入るならそば専門店だろう。
 何故か。そちらのほうが”おいしそう”だからだ。もちろん両方出す店が”おいしい”と評判であれば、そちらを選択するだろう。でもそういった事前情報がない場合は、専門店を選択する確率は高くなる。
 つまり何かを捨てないと競合には勝てないということだ。

世の中の店の95%が
店舗コンセプトと
看板が一致していない!

 「儲かるお店は『見た目』で決まる」の著者で広告会社の社長である小山雅明さんも、「捨てる勇気を持て」と言う。
 小山さんは、SI=Shop Identity:ショップ・アイデンティティの確立を追求せよと説く。
 パーソナル・アイデンティティが自己同一性として知られているように、SIは自分の店の同一性を意味する。どこと同一性を持つのかと言えば、店側と客側、消費者側との認識の同一性だ。
 たとえば飲食店が「旬の食材にこだわった新鮮さと驚きがある店」という特徴を持ち、そう主張しているのであるなら、客もそういう店であると認識しているという同一性だ。
 看板はこの同一性を橋渡しするものだ。小山さんによれば、巷の店の看板やサインはこの同一性に欠けているケースがおよそ95%にのぼるという。つまり世の店のほとんどが看板の統一性が取れていないのが実態なのだ。これはすなわち、店の大半がSIを確立しきれていないと言える。

お客は自店に何を望んで、
何を評価しているのか

 では店のコンセプトを絞り込んで、SIを確立するためにはどうすればいいか?
 まずは自己診断が必要だ。
 一般的にはマーケティングで使われるSWOT分析を使う。SWOTとはStrength=強み、Weakness=弱み、Opportunity=市場機会、Threat=脅威の4つの要因を表す。
 「強み」は、自分の店が競合店や他の会社に対して「勝てる」と思っているポイントだ。「特にない」という店もあるだろう。だが店の規模や広さ、スタッフのレベル、素材の鮮度、メニューの豊富さ、専門性、稀少性など、探せばいろいろ挙がってくる。「弱み」はその逆だ。価格の高さ、立地の悪さ、ビルの上階であったり、店の狭さなど、これもいろいろ挙がってくる。
 「市場機会」は、想定されるお客の年齢や、性別、地域の特性=郊外のベッドタウンである、都心部の繁華街であるなどのほか、所得層、職業など主にターゲットの属性に関わることが挙げられる。「脅威」は、競合する店の存在とその実力、地域の人口の現状、高齢化、都市計画によりバイパスができたなど、ライバルとビジネス環境悪化の要因などだ。これらの要素をマトリックスに組み合わせることで自店の特徴、アイデンティティが浮き彫りとなる。
 また店舗運営のコンサルティングを行っている船井総合研究所の中西正人さんは、自店の特徴を見出す質問として、次の8つを想定する。

① 何故、他店ではなく、あなたの店で買わなければならないと聞かれたらどう答えますか?
② その理由、原因は何ですか?さらにその理由は?
③ 上の理由となる具体的な根拠、事実はありますか?
④ お客さまが感じるメリットを具体的な言葉として表すとどのようになりますか?商品、サービスを使ってみた感想は?
⑤ ライバル店から流れてきたお客さまが、自店を選んでくれた理由は?実際に言われたことは?
⑥ 最も売れてる商品、カテゴリーは何か。最近売れ行きが伸びている商品、カテゴリーは?
⑦ メインとなるお客さまは?最近増えているお客さまはどんな層のお客さま?(年齢や推定所得、ライフスタイル、趣味、服装など)
⑧ 自分の店の弱点は何か。それは強みにすることはできませんか?

 さらに上述した高橋さんはもっと簡単にして、次の5つ問いを挙げる。

① あなたのお店は、どのくらい知られていますか?
② あなたのお店は、お客さんにどのようなメリットを与えることができますか?
③ あなたのお店の強みはなんですか?
④ あなたのお店の強みを出すために、何を捨てることができますか?
⑤ あなたのお店がファンを増やすためにしていることは何ですか?

 すぐに答えられない場合は、時間をかけてもいい。うっかり誤った回答を導き出して、SIを動かしてしまった場合のほうが、修正が難しくなる。問題は絞り込まれたコンセプトや、確立したSIをどう看板に反映させるか、だ。

種類も役割も素材もいろいろ。
看板を知れば、集客もブランドも上がる

 その前に世の中にはどんな看板があるのか?ざっと確認しておこう。

1) 店頭サイン ――店の入り口の上に取り付ける看板。店の顔的存在。店を大きく見せる効果があり、その大きさは集客力に反映する。

2) のぼり ――看板の原点とも言えるもので、古くは戦国時代に自軍を知らしめるために使われた。風でぱたぱたと動くことで、店に勢いを与える。

3) 袖看板 ――建物の壁面から突き出して掲げる看板。壁を利用するので壁面の高さいっぱいを使うことができる。新規顧客の来店率を高めるためには、通行者の視線に対して直角につけることがポイント。

4) A型看板 ――路面や地面に直接置いて使う看板。横からみるとアルファベットの「A」の文字に似ていることから、この名称が付いた。移動ができ収納も簡単なので、店舗のほかイベントなどでも利用可能。ローコストで汎用性の高い看板。

5) スタンド看板 ――A型看板同様、路面や地面にそのまま置ける看板。A型より接地面積が少なくて済む。主に歩行客や自転車客向けに使われる。車輪がついて移動できたり、板面が曲面になっていたり、油絵などを立てかけるイーゼルのような形のものなど、種類も豊富。内側から電球で照らす電飾タイプなどもよく見かける。

6)フラッグ広告 ――旗の形式を利用した看板。のぼりが地面に差し込んで設置するのに対して、店の入口の上部の壁面にポールを取り付けて設置するのが一般的。

7)野立て看板 ――郊外の幹線道路沿いなどに建てる大型の看板。車の搭乗者、電車の乗客になどに向けても使われる。観光地などでよく見かける。

8)テント看板 ――店の正面の上につく張り出した看板。雨よけや日よけの役割も果たすほか、店に立体感や奥行き感を出すのに使われる。

9)壁面看板 ――ビルなどの壁面全体にシートやボードを貼りつけた看板。大型のインクジェットプリンタなどの登場で、ずい分見かけるようになった。

10)屋上広告 ――ビルや建造物の屋上に設置される看板。大きく目立つため、地域のランドマークとしての役割を持つ場合が多い。ビルボードとも呼ばれている。

11)ポスター・パネル ――店のなかの壁などに貼られる。季節や時期に応じて変える必要があるものなどに使う。

12)バナー ――インターネットの広告としての認知度が高いが、もともとポスターをボードに貼って吊るしたものがオリジナル。大型店舗の屋内などで見られる。ポスターもバナーももとは紙でできているので、頻繁に変えることが可能。

13)ボード ――店舗内の壁の定位置に貼られた看板。メニュー表などのほか、店のこだわりや理念などを表記した「ポリシーボード」と言われるものもある。

14)垂れ幕・タペストリー ――レールやワイヤーなどで固定して使う看板。屋外の場合は、風になびいて動きが出るが、飛ばされないよう安全面には注意する必要がある。通常とは販売内容が違ったりするイベントなどの際、ショーケースの上からたらして使ったりする。定期的に内容を差し替える場合に使われることが多い。

15)ポール看板 ――ロードサイドの郊外店舗に使われる、車のお客向けの看板。野立て看板より小型で、50m、100m手前からでも確認できるサイズ。また目立つからと言って、むやみに高くしても逆効果になる。

16) POP ――Point of Purchase(販売時点)で客の背中を押す広告。ポスターが壁に貼られたり、フロアに置いたりするのに対して、商品のすぐそばに置かれて、内容や特徴の説明などに使われる。

17)チャンネル文字 ――建物の壁面などに設置された立体的な文字。文字自体を後ろや前から照明でライトアップするケースもある。

18)ちょうちん看板 ――飲食店、とくに和食屋、居酒屋など入り口に使われる。色は赤が圧倒的。これは疲れた人間が赤い色に引き寄せられる心理から来ているとされる。最近増えている緑のちょうちん看板は、国産の素材を使っている店を表している。

19)のれん ――和食店、居酒屋などの入り口に掲げられる。店の名前、存在を示す役割もあるが、営業中か否かを示す役割もある。

20)カード ――メンバーズカード、ポイントカードなどは室内看板の役割を担うと同時に、携帯されることで、その所有者を介してのクチコミなどの効果、新規顧客の獲得が期待できる。

21)ガラスシート ――入り口の扉やガラス窓など貼りつけたシール状の看板。2階以上は窓ガラスを全面に使うなどして視認性を高める効果がある。

22)ショップアイテム ――店員が着ているユニフォームやTシャツ、ロゴの入ったエプロンや紙バッグ、包装紙なども看板の一つで、まとめてショップアイテムと呼ばれる。

23)フロア広告 ――床に貼りつけた広告看板。入り口に置かれるフロアマットも広告としてよく使われる。

24)ネオンサイン ――ネオン管を使って文字や形を表示する、夜の代表的サイン。

25)デジタルサイネージ ――大型のモニターに動画や静止画、文字情報を合わせて表示できる広告看板。画面を分割して複数の情報を発信できることなどから、商業施設のほか、病院や大学、役所などでも導入する例が増えている。

26)アドピラー ――駅や地下街などの大きな柱(ピラー)に巻かれたパネルやポスター。連続で使うことで視覚的な効果を狙える。

27)スクロールサイン ――大型店舗など店頭にある自立型の大型看板。複数のポスター広告がスクロールするように次々と変わっていくので、動きと省スペースが実現できる。

28)カーマーキング ――トラックなどの外側を広告で覆う方法。ターゲットとなる商圏を走らせることで認知度を上げる。アドトラック、アドカーなども言われる。

29)ラッピング広告 ――アドトラックと同様だが、より車全体を商品広告で覆ったもの。バスや電車などで使われる。

30)交通広告 ――電車やバスなど公共交通機関の車内、車体、駅やバス停、空港などの壁やベンチに使われる看板。最近では動画を表示するモニターやデジタルサイネージ、スクロールするサインなど、動きのある表示が増えている。

 このほか、店舗内の陳列も看板の1つだ。店の中の様子がわかるガラス窓も看板の役割を果たす。また外からの注目度で言えば、店の入口に連なる行列も看板の1つとなる。いわゆる「さくら」を使って店の外に行列をつくる店もあるが、これは看板による集客効果ということでは、理にかなっている。
 また看板はそもそも店の認知度を高めることが最大の目的なので、大きくは店舗全体が看板であるとも言える。

1つの看板だけでは、
客は誘導できない

 それにしてもなぜこれほどの看板の種類があるだろう。それは人間のものに対する認識の仕方が一様でないからだ。人間の脳はその存在、役割を理解していないと、たとえそれが見えていても、記憶されなかったり、認識されない。


 マーケティングの世界ではいかにお客を自宅から商品のある店に誘導し、商品を購入してもらうことに心血を注いでいる。だが一般的に街中の店に入る人は、何か明確な理由があって店に入るよりは、「なんとなく」入る人が多い。前出の小山雅明さんは、このプロセスをAIWA(アイワ)という言葉で表す。
 人が何かモノを買う心理プロセスはAIDMA(アイドマ)、すなわち、注意喚起=Attention、関心・興味を持つ=Interest、欲望=Desire、記憶=Memory、購買行動=Actionというプロセスで説明されてきた。
 しかし看板はAttention、Interestの後に、Wanton=何となく、Wants=欲しい、入りたくなるというプロセスが入った後に、Action=行動・入店となる。この「W=なんとなく、欲しくさせる」装置が看板なのだ。
 前出した高橋さんも看板を「じわじわ効く漢方薬」と表現する。まず遠くから見たときに「どんな店かなぁ」と興味をもってもらうことが重要だという。
 ではその仕掛け、組み合わせはどうなるのか。
 ポイントは次の3つだ。

① お店の存在に気付いてもらうにはどうしたら良いか?
② 順序良く情報を与えるにはどうしたら良いか?
③ ぱっと見て認識出来る情報はどのように伝えればよいか?

 まず1番に考えるべきは、人に気付いてもらうこと。したがって人の視野に看板が入ってこなければならない。その目安は歩行者であれば、7m、自動車からでは60m先から認知できること。また一般的に人間の視野は仰角10度までなので、上はその視野角の範囲内に収めることが必要だ。
 もちろん「目立てばいい」という訳ではない。その店の業態や内容、雰囲気、品位に則したものでなければ、むしろ逆効果となる。
 次に考えることは視線を店の入り口まで誘導するデザインだ。
 たとえば街中のビル1階にある飲食店であれば、まず遠くから目に付く袖看板が必要となる。そしてそこから誘導された客には、店の前では食欲をそそるような定番メニューの載ったA型看板。さらに店の入り口脇の壁には今月のオススメメニューが載ったタペストリー(垂れ幕)。そして正面には店頭サインやのれんなどを掲げ、店の雰囲気が直感的にわかるようにする。
 ここまででもすでに4つないし5つの看板が使われている。これらの看板はそれぞれ役割があり、その役割の組み合わせが「何となく」街中を歩いていた人を店の入り口まで誘導するのだ。「看板なんて店の入口に大きい目立つ物があれば、それで十分」というものではないことが分かるだろう。

看板は店の直角から発想する

 船井総研の中西さんも看板をつくる時には、店の正面だけを見て、「どんな看板にしようか」と発想してはいけないと言う。中西さんは、看板は間口に直角の角度で取り付けることを勧めている。中西さんはこれを「90度の法則」と呼んでいる。立地は、車客の場合は、30 ~ 50m、歩行客の場合は10 ~ 20mの間くらいから気づかせるようにする。
 基本は「気づかせる」→「関心を持たせる」→「なんとなく欲しくさせる」→「入店」という流れに沿って適切な看板を配置することだ。

 飲食店の場合は、入店させれば、たいがいのお客は何かをオーダーする。しかしそれ以外の店の場合、入ったからと言ってお客が必ず商品を買うとは限らない。
 したがってこれらの店では店内に入ってからレジに向かう動線のデザインも重要になる。店内に入れば、壁に「オススメ」の商品が掲載されたボードやポスター、垂れ幕、チラシ、リーフレット、POPなどが目に入ってくるが、いずれも視線を向けさせ、身体を動かす動線のためにある。また店員が身につけているコスチュームや紙袋、包装紙、ロゴが入ったペンなども看板の役割を果たす。
 看板の役割を整理すると、まず屋外でその存在を気づかせ、誘導し、さらに店内で気づかせ、欲しがらせ、購買というアクションを引き起こす、2段階の仕掛けが必要になることになる。

遠距離→中距離→近距離→店内で看板を考える

 よって看板に載せる情報も、まず遠くからは比較的少ないシンプルなメッセージから始まり、店が近づくにつれて情報が増え、店の店頭サインでいったん整理されるようにする。そして入店後はシンプルなメッセージで商品の場所に誘導し、商品そばに置いたPOPでより詳しい魅力的な情報を伝える。そんなプロセスが必要だ。マーケティング的には、看板計画の基本はAIWAプラスAIDMAということになる。
 あとはそのプロセスに合った看板を選ぶことになる。看板を視認距離や役割で分けていくと次のようになる。

遠距離: 屋上広告/ビルボード/野立て看板/壁面看板/案内看板/アドピラー/交通広告/ネオンサイン/垂れ幕/のぼり

中距離: 袖看板/垂れ幕/のぼり/案内看板/ポール看板/フラッグ/スタンド看板/スクロールサイン/テント看板

近距離: A型看板/スタンド看板/袖看板/のれん/店頭サイン/垂れ幕/フラッグ/ガラスシート/ちょうちん看板/ネオンサイン/スクロールサイン/テント看板

店内: フロア広告・フロアマット/ポスター/バナー/ボード/フラッグ/ POP /デジタルサイネージ

矢印があるだけで
10ポイント以上
入店率がアップする!

 また看板に入れる情報は、遠距離の場合は、特徴を出すキャッチコピーを大きく表示するといい。店名を大きく出したいところだが、客は店の名前より、どんな特徴をもった店なのか、どんな商品を揃えている店なのかが気になるものだからだ。人が店の名前を記憶するのは、その体験が良かったり、感動的だったりした後のことなのだ。
 街中にある店では、できるだけ入り口がわかるように誘導する。郊外店では誘導に必ず矢印を入れる。街中でも矢印は入れたほうが誘客できる。矢印はそれだけで人を動かす力があるのだ。

 同じ看板でも矢印がある場合となしでは、誘客ははっきり変わる。
 前述の小山さんによれば、同じ店先の突き出し看板で、矢印なしが20%の誘導率であるのに対し、矢印ありが32%と10ポイント以上上回った。さらにその矢印を太くすると36%にアップし、さらにその太い矢印にカーブをかけて動きを出したところ、38%にアップしたという。
 矢印はとくにロードサイド店、地下店舗、空中店舗では必ず入れるべきだろう。

看板は時間、季節、年月、
店のライフサイクルで変えていく

 商売というのは生モノだ。季節や時間帯によって繁閑差が出てくる。季節や時間帯に応じて看板も変化させていく必要が出てくる。無論店頭サインや袖看板、壁面看板などはそうそう変えることはできない。そこで看板計画を練る際には最初からその変化を織り込むことも必要だ。
 たとえば野立て看板には、最初から掛け替えることができるパネル部分を設け、季節や時期に応じ看板を変えるようにしておけば、鮮度が失われにくい。のぼりやフラッグの場合、載せている内容は同じでも風でなびくことで動きが出るので、注意を喚起しやすい。また手作りで飾った手書きのボードなども日々変化があるので、誘客に繋げやすくなる。
 近年ではデジタルサイネージや屋外の大型ビジョン、スクロールサインなどが利用されているが、これは動画や画像が切り替わることで、固定した看板の弱点を補う傾向の現れだと言える。
 また看板は店や商品のライフサイクルにも合わせて変えていく必要がある。商品のライフサイクルに合わせてプロモーション戦略を変えていくことは、マーケティングの「いろは」だが、看板も同じだ。
 船井総研の中西さんは店のライフサイクルを大きく1)導入期、2)成長期、3)ピーク期・後退期、4)安定期の4つのステージに分けている。

1)導入期
目的:業種・業態、イメージを伝える。
看板:業種名、店名を大きく表示。

2)成長期
目的:品揃えの多さや品質・価格などを伝える。
看板:(安さを売るなら)価格や商品、サービスメニューやコースなどを表示。

3)ピーク期・後退期
目的:顧客、商品を絞り込む。
看板:売れている自信のある商品やカテゴリー、重点コースなどを大きく表示。

4)安定期
目的:看板を店、人と同化させる。
看板:飲食店であれば質感やあじわいにこだわり、スタッフやオリジナルサービス、商品が知られているなら、そのスタッフや商品を全面に出す。

 小山さんも店の発展ステージに合わせて看板を発展させていくことを説く。
 考え方は中西さんと同じだが、店がチェーン化した時には、看板も量産することになるので、ブレのないメンテナンスのしやすい看板にすることがポイントだと指摘する。

 ITによる集客はある意味、血みどろのレッドオーシャンになっている。成熟の時代こそ、看板の効果を真剣に考えるべきだろう。

POINT
■ 看板の種類はさまざま、役割を知って効果的に組み合わせる
■ 店や商品のライフサイクルに合わせて、看板も変える
■ 誘導の基本は、AIWAとAIDMA
■ 看板も鮮度が命。季節や時間、場所によって変える。動かす
■ 看板は1つでは足りない。複数を組み合わせてこそ効果を発揮する
■ 街中の消費者はなんとなく店を選ぶ。つまり看板で店を選ぶ
■ 矢印はできるだけつける。太く分かりやすく、動きがあるように!
■ 看板を考えることは自分のビジネスの本質を考えること。客を切る勇気を持て

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