COLUMN ビジネスシンカー

2018.09

チャンスを活かす!ピンチを切り抜ける! 大人が知っておきたい「ビジネスの法則」

②「2:6:2の法則」

パレートの法則から発展。
普通の従業員にフォーカスを!

 パレートの法則がこれほどまでに浸透した理由として、この法則を敷衍して別の法則を生み出しているところにある。それが「2:6:2の法則」だ。

 「2対8」の原則では、「2割のすぐれた社員が8割の売上を生み出す」というものであるが、この8を分解すると、6が平均的な売上で、残り2割はあまり売上に貢献しないという法則となる。これはある程度の規模に達したどんな集団にでも当てはまる法則と言われている。経営者には押さえておきたい法則の1つだ。

 つまり経営がはかばかしくないからと仮に下位の2割を辞めさせたとしても、残った社員にのなかに2対6対2という集団が形成されてしまうのだ。これは逆も言えて、上位の2割が辞めても残った8割のなかで2:6:2の集団が生まれてくる。

 2対8の法則では2割の対策・対応に集中することが大事だと言われている。効果を上げるのであれば、よくできる2割の能力をさらに引き出すのか、ダメだと言われる2割を引き上げるのか、ということになる。

 しかしある経営学者は最も多い6割の人材を活用することが重要だと指摘している。というのも、この層は企業に対する忠誠心が高く、会社内外で揉め事を起こすことも少ない。とくに不況時には、「組織の心臓と魂の役割」を果たすと言われている。

 さらにこの6割は、企業の困難時に業績を安定させて、その回復に最も貢献する人たちだ。よって彼らを無視すると、自分たちの価値を疑いはじめ、勤労意欲が低下することが多いとされている。

 したがって経営者は、この6割に対してより高い関心を持ち、彼ら彼女らがどれだけ業績に貢献できるかを考えて、中間層の6割に対して、仕事上の短・長期的目標と具体的な役割を与えなければならないといわれている。

2:6:2の比率を変えようとしてはいけない

 農耕民族である日本人のメンタリティを考えると、確かにこの6割の中間層に対してどうするかを考えることが重要かもしれない。実際「できる人」は、ある程度の環境をつくっておけば、どんどん新しいことに取り組んでいくものだ。また逆にどうしても伸びない人や馴染まない人は、自然とその職場を離れていく。ただ変化の激しい現代においては、こうした平常時では「お荷物」と思われる人材が、有事になると能力を発揮したりする。故事では「奇貨居くべし」という言い方がある。つまり変わったもの、一見役に立たなさそうなものでも使う時が来るものだという喩えだが、会社が従来と違った局面に来たり、ユニークな事業を求められた時にこうした人たちは能力を発揮する。

 間違ってもこの2:6:2の比率を、より効率的で効果的な集団にするために、4:4:2とか、5:3:2にしようなどと考えたりしないことだ。2:6:2が支持されているのは、そういった試みを繰り返しても、2:6:2に落ち着いてしまうからだ。もちろんこの区分け自体を恣意的と見る人もいる。何をもって平均的なのか、どこからダメなのか。基準をどこに置くかというポイントもあるだろう。

 人間の能力や可能性は多様だ。だからこそ価値軸をたくさん用意して、活用できる場をつくっていくことが、経営者の大きな役割だと言える。