COLUMN ビジネスシンカー

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2018.12

働き方改革の先人たち 「実践・逆張り・非常識」経営 あの会社はなぜ業績を上げたのか

元暴走族だった社員が、大学で講義をするまでに!

 ギネス登録のモノづくりができるのは、それだけの技術をもった社員がいるからだが、同社の社員が最初から優れた技術者ばかりではなかった。

 同社では新しく人を採用する際は、先着順で採用していた。

「中小零細企業は、高学歴の人とか、技術のある人をお金で引っ張ってくるわけにはいかない。だからよそから来て育ててもらったこの町への恩返しも含めて、採用は選り好みせず申し込み先着順。だから、手持ちの人材をいかに育てるか、どうやって原石をダイヤモンドに育てるかってことに尽きるのです」

 その育て方はマジックと言っていいほどだ。

「うちの社員は、正直言って元暴走族みたいなのばかり。でも2、3年で落ち着いてきて、10年も経つと立派なお父さんになって、びっくりするくらい勉強するようになる」と松浦さんは語っています。なかには大学で講義をするようになった元暴走族の社員もいるという。

 樹研工業も未来工業と同様に、年功序列制を採っている。

「会社に対する貢献度とか技術レベルとは一切評価しません。そんなことが正しく評価できるのですか?とくに技術を一所懸命やっている人間は、昨日まで何もしてなくても、明日になって突然すごいことをやったりしますから」

 同社では本は無制限で購入可能。新幹線の移動では社員全員グリーン車使用だそう。

「本は全部読まなくてもいいんです。1ページでも1行でも役に立つことがあれば。彼らを大事にして、人間としての尊厳をきちっと守って付き合ってやれば、みんなそれぞれいいものを発揮します。5年でマスターする人もいるし、20年かかる人もいる。でもそれは人それぞれですからちゃんと待っていてやれば、だいたい到達しますよ。到達してしまえば、それは大変頼りになる」(松浦さん)

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