COLUMN ビジネスシンカー

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2022.02

現代の参謀はAIか?!
テクノロジー万能時代に見直しておきたい
戦国時代の名参謀の「仕事」と「資質」

参謀は企業ステージで変えていくことも

現代の有名企業をみていっても、主君(社長)と二人三脚で成長させた例は多い。有名どころでは上述した本田宗一郎さんを財務面で支えた本田技研の藤沢武夫さん、井深大さんの理念を理解し支えたソニーの盛田昭夫さんなどのほか、一人の天才が一代で築いたかのように見える昨今のベンチャーでも、名参謀はいた。

たとえば、ベンチャーのカリスマ、孫正義さんが率いるソフトバンク。携帯電話のキャリアとして、若者の圧倒的な支持を得、プロ野球の球団も持つ大企業となっている。ソフトバンクは孫さんが高校中退後渡ったアメリカの大学で発明した自動翻訳技術を、シャープに売り込み、その得た資金で設立した会社だ。設立後はパソコン関係の出版業務や自動的に安い電話回線を選び接続するシステム「LCR」などを開発、そのたびに業容を急速に拡大していった。

米国勤務経験もある公認会計士・山田有人さんの著書「最強の経営参謀」では、孫さんは会社のステージが変わるたびに参謀を変えていった経営者として紹介されている。

孫さんの庇護者とも言われる元シャープの副社長佐々木正さんが孫さんについて「孫という登山家にはその時々にシェルパがいる。そのシェルパは上に上がる度に代わるんですわ」と語っている。実際に創業時には野村證券出身で元セコムの副社長大森康彦さんを招へい、株式公開には東京証券取引所出身で、日本勧業角丸証券の公開引受部長だった小林稔忠さんを引っ張ってきている。そしてソフトバンクが投資・金融業に参入した際には、野村證券出身で、金融や企業買収に詳しい北尾吉孝さんを招へいしている。北尾さんはライブドアによるニッポン放送株の買い占め、それに伴うフジテレビへの支配力強化策に対抗するホワイトナイトとして一躍脚光を集めた。しかしそれ以後、北尾さんと孫さんの関係はそれほど密ではなくなったと分析している。

このように現代企業においては、その必要に応じて、参謀をつけていくというのも手なのかもしれない。いずれにしてもいかに優秀な参謀を得る、あるいは育てるかは、経営者やリーダーに課された使命とも言えよう。

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