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物事を動かし、変えるのはファーストペンギンか?いや大事なのは、セカンドペンギンだ!

 ファーストペンギンという言葉を聞いて、「それ何?」という人は余りいなくなったと思う。
 ビジネスにおいて未開拓の市場やより大きな売上の獲得をめざし、リスクをとって率先して挑戦する人間の比喩である。
 なぜそれがペンギンかについては、念のために説明しておく。
 ペンギンの餌は魚やイカ、そしてオキアミなどの甲殻類である。魚は陸地や流氷の上にはいないので、海に飛び込んで探すしかない。海には餌だけでなく、敵もいる。ヒョウアザラシやシャチなどだ。食べられる危険もあるが背に腹は代えられないので、お腹が空いたらペンギンは海に飛び込むしかない。この動向をヒョウアザラシは知っていて、海中で待ち構えることが多い。
 ヒョウアザラシはアザラシ類のなかで最も獰猛で、ペンギンのほか他のアザラシも捕食する。人を襲うこともある。だが陸上や氷上で寝そべっているときは、獰猛さのそぶりもみせない。ペンギンが近いても気に留めず、ただゴロゴロするだけだ。
 つまり陸上でゴロゴロしながらペンギン集団の動向を探り、ペンギンが海に向けて移動しはじめるとそっと海中に潜り、飛び込んでくるペンギンを海の深部からじっと待つのである。
 よって海に飛び込んだペンギンが捕食される率はかなり高い。
 逆にペンギンが主食とするオキアミは、サイズは小さいものの密集した群れを成しており、先に餌場に飛び込んだほうが餌にありつけやすくなる。ハイリスクハイリターンの典型だと言える。


ファーストペンギンがいても事業は進まない?!

 こうした行動特性に倣って、ビジネスでリスクをとって最初に事業や、市場に挑戦する者をファーストペンギンと呼び称えるようになったのが、ちょっと前までの風潮だ。
 “ちょっと前”と言ったのは、ファーストペンギンの行動と勇気を称えるものの、その先の展開が意外と進まないという例が見受けられてきたから。
 新規事業の成功や新市場の獲得には、事業を動かす複数のフォロワーが要る。フォロワーはファーストペンギンが目指す方向性や考え方に共鳴し、協働、支援する。このフォロワーが多ければ多いほど、事業の成功率、新市場の獲得率は高まる。
 問題はこのフォロワーをどう増やすか、である。


すごい、いいね! 
でもあの人だからできるんじゃね??

 そこで注目されているのが、セカンドペンギンという存在だ。文字通り、ファーストペンギンに続く2番めのペンギンたちである。
 規模の大小を問わず、組織やチームが何かを立ち上げ、実行していくためには、「それいいね!」と言ってくれる存在が必要だ。できれば「いいね、やろうよ」と実行に手を貸してくれる人がいたほうが進みやすい。
 いくらいい企画を練り上げ、巧みなプレゼンをして、拳を振り上げ、鼓舞しても「さすが。でもあの人だからできるのであって、私にはできない」という空気が出てしまっては、事業は進まない。ましてイノベーションを起こそう、そのための改革をしようという場合は、フォロワーより抵抗勢力が生まれる可能性もある。
 そういったときに「いいかもしれない。結果がどうあれやってみたら面白そう」というファーストペンギンに寄り添うセカンドペンギンが生まれることで、事態は好転する可能性が高い。


リーダーは過剰に評価されている。変な男をリーダーに変えるのは、セカンドペンギン

 1つ有名となったTEDのプレゼンがある。起業家のデレク・シヴァーズ氏が行った3分ほどのプレゼンで、そこには公園らしい芝生の上でくつろぐいくつかの集団のなかで、1人の半裸の男性が奇妙なクネクネダンスを踊る姿が流れた。
 しばらくするとその男性に1人の男性が近づき、踊り方を教えてもらう姿が映った。その後2人が一緒に踊っていると2人の男性が加わり、さらに3人が加わった。シヴァーズ氏はここでこう言う。
「 ここがティッピング・ポイントです」
 その後は画面のあちこちから複数の男女が加わり、彼らを囲んでいた集団のほとんどが加わったのだ。
 こうなると周りで座って見ている人々がマイノリティとなり、踊りは大きな集団のうねりとなった。
 彼はこの映像でこう加える。

 「リーダーシップは過剰に評価されている。それより従う勇気と従う方法を持ってほしい。それが1つの運動を大きなものに変える方法だし、1人の変わり者をリーダーに変える方法だ」と。
 ファーストペンギンは重要だ。しかし新しいことを動かしていくには、いくつかのセカンドペンギンが育つ環境がもっと重要なのだ。

 これは社内だけでなく、1つの業界でも言える。A社が生み出した全く新しいコンセプトの商品にB社、C社が追随しないとその市場は伸びない。ブルーオーシャンを見出したとしても、1社が独占するような状態ではその市場や産業は広がらないのである。
 御社にはセカンドペンギンは育っているだろうか。その環境はあるだろうか。

【参考WEBサイト】 ●TED「運動の起こし方」 ●JMA(日本能率協会 ●BIZReach with HR ●Web電通報 ●東洋経済オンライン「水野学×山口周 『日本におけるリーダー問題』 ほか

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