BUSINESS THINKER ビジネスシンカー

2018.07

“きっちり”し過ぎて損をしていないか? ビジネスは<だらしな系>のほうがうまくいく?

きっちりすることは本当にいい結果を生むのか?

 書店のビジネスコーナーでの定番の一つに"整理術"がある。「これですっきり○○整理術」「○○的整理法」などいったタイトルを見て、思わず手を伸ばした経験がある人は少なくないはずだ。

 確かに整理の行き届いた空間は、見ていても気持ちがいい。それだけで「仕事ができそう !」という気がする。しかしこれほどまで「整理術」がもてはやされているのは、結局のところ「これは!」という決定的整理術がないのかもしれない。あるいは現代ビジネスマンの多くが、おそらく「もっと効率的で効果的な整理法があるはずだ」と一種の強迫観念が働いている可能性もある。どこか、見た目は十分痩せているのに、本人がまだまだダイエットしたがっている女性にも似ている。

 もしかしたらもう私たちは十分整理術を体得していて、逆に非効率になっていたり、本来の目的を見失っているのかもしれない___ ある種の確信をもってそう思わせてくれるのが、アメリカの名門コロンビア大学ビジネススクールの教授エリック・エイブラハムソンと技術コラムニストのデイヴィッド・H・フリードマンの二人の論だ。

 二人はこれまで<だらしな系>と呼ばれていた日の当らない世界を見聞し、検証してみたところ、「きっちり系が常にいい結果を生むとは限らない」と確信し、「実のところきっちりするには、驚くほどの多額のコストがかかる」ことがわかったという。(『だらしない人ほどうまくいく』)

「だらしない人ほどうまくいく」
エリック・エイブラハムソン・デイヴィッド・H・フリードマン著
文藝春秋 刊

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