COLUMN ビジネスシンカー

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2018.07

“きっちり”し過ぎて損をしていないか? ビジネスは<だらしな系>のほうがうまくいく?

コンピュータ管理の書店と人の記憶頼りの管理法の書店はどちらが生き残るか

 たとえばこんな事例がある。ニューヨークのブロードウエイに通りを挟んで向かい合う2軒のマガジンストア。

 1軒は雑誌が整然と並べられ、在庫はコンピュータで管理されている。もう一方は雑誌のジャンルや並べ方も気にせず、複数のタイト ルの雑誌が重なっていたりしている。でもこれはしょうがないことなのだ。この店にはコンピュータがなく、どの雑誌が売れたのか、どの雑誌を仕入れる必要があるのかわからない。頼るのは人間の記憶だけで、棚の整理は客の少ない時間帯や閉店後に"ちょこちょこ"と行われる程度。当然ながら、店は前者のほうが客も多く、雑誌も売れていた。

 この2軒のマガジンストアのうち、どちらがだらしな系かはお分かりだと思う。そう、後者だ。前者はきっちり系。しかし2軒のうち最終的に生き残ったのはだらしな系のほうだった。雑誌はあまり売れなかったものの、儲けはきっちり系の店より多かったのだ。なぜか。

 理由は単純で、商品をきれいにならべるための人件費や在庫を管理するためのコンピュータシステムの導入などといったコストがかからなかったからだ。日本人的発想からすれば、きっちり系が店をたたまざるを得なくなったのは、在庫管理の徹底や人材教育が十分でなかったからということも言えなくもない。しかしこのきっちり系の店のようにきっちりすることを重視するあまり、「利益を上げる」という目的にたどり着けないケースは世の中には多々あるのだ。

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