COLUMN ビジネスシンカー

  • SHARE
  • LINE
2020.04

【new comer&考察】
人間が勝手に格付けされる時代に!?
増えるAI信用スコアビジネス

シェアリングエコノミーを支えるAI信用スコア!?

インターネット技術が進展し、メルカリなどいわゆるPtoPといわれる個人の直接売買が誰でも気軽にできるようになってくると、より気軽にモノやサービスの売買がしやすくなる。一方で売り手も買い手も有象無象、玉石混交状態になるため、相手を信用していいのか不安はつきまとう。そういった不安の解消にこの信用スコアは使われる模様だ。

個人の所有物を融通しあったり、シェアしたりして、生活やビジネスを展開する考え方は「シェアリングエコノミー」と言われ、21世紀に入って急拡大している。その代表的ビジネスである「エアエーアンドビー」もこのAI信用スコアを活用している。

今後AI信用スコアは、シェアリングエコノミーの拡大とともに広がっていくだろう。

ただもちろん、手放しで喜んでもいられない。

AI信用スコアはともすると格差や差別を助長することになりかねないからだ。AI信用スコアが進んでいるアメリカでは、結婚相手の親が本人のAI信用スコアが低すぎるとして、婚約を解消させたケースがあったり、企業が人材採用に高い優れた新卒者を採用しようと導入したものの、男女差別を助長する結果となったなどの例が出ている。

こうした問題は、AIのアルゴリズムやデータの精度などさまざまな要因から起こっている。とくにAIに読み込ませるデータに偏りがあるといかに最適なアルゴリズムで分析したとしても、公平さに欠ける結果を出してしまう。後者の例では、その企業で採用してきたもともとの母数が男性が多かったために、AIが「男性が望ましい」と導いていたのだ。

また、用いられるビッグデータは、ショッピングサイトなどの個人の購買歴などから引き出されることも多く、サイト運営者がサイトユーザに知らせることなく、情報を利用して問題となった例もある。

精度の高いAI運用には個人情報が必要であり、当然しっかりとした管理が求められるのは言うまでもない。

一方で中国のような審査にはなかった、ボランティア活動や寄付など、いわば個人の徳の見える化で社会全体をよりよい方向に向ける機会となるのであれば、積極的に導入すべきだとも考える。ただスコアの横行が冒頭のような個人の私生活を制限することにならないよう運用は慎重にしてもらいたいものだ。

  • LINE